NECの「分析クラウドサービス」は、ビッグデータ分析の業務アプリケーションをSaaS形態で提供するサービスである。マーケティングやリスク管理など、個別のシステム開発案件で需要が高かった分野を中心に順次提供していく。
現在、三つのアプリケーションの提供が決まっている。提供開始時期が早いものから順に挙げると、以下のようになる。
「顔認識技術活用マーケティングサービス」では、カメラ映像から来店客の顔を自動的に識別して人物を特定する。また、顔の特徴から年齢と性別を推定し、来店日時と併せて記録する。これにより、来店者の年齢、性別、リピート回数などの軸で傾向を分析できる。また、POSデータと連携することで、年代別来場者数と売上額のクロス集計なども可能になる。サービス開始は2012年11月7日、利用料は月額7万円から。別途、店舗にカメラを設置したり、データ連携の仕組みを用意するための費用がかかる。
「不審者監視セキュリティサービス」も、顔認識技術を利用した業務アプリケーションパッケージである。カメラ映像からリアルタイムに人物を特定し、その特徴を自動的にデータベースに記録する。不審者の顔画像を登録すると、過去の映像やリアルタイム映像から同一人物を検索/抽出する。サービス開始は2013年1月末、利用料は個別見積り。
「テレマティクスサービス」は、自動車の移動履歴などからユーザーごとの行動パターンを分析し、時刻情報や位置情報などを組み合わせてユーザーの行動を予測する業務アプリケーションである。サービス開始は2013年3月末、利用料は個別見積り。
NECはこれらサービスの提供に当たり、自社がデータ分析技術に長けている点をアピールしている。例えば、インバリアント分析(任意の二つの計測値同士の相関関係をモデル化)、顔画像解析、行動分析(人や物の位置・移動履歴などからパターンを抽出)、異種混合学習(データの関連性を見つける技術)、テキスト含意認識(二つの文が同じ意味を含むかどうかを判別)などである。
サービス名 | 顔認識技術活用マーケティングサービス | 不審者監視セキュリティサービス | テレマティクスサービス |
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サービス内容 | 来客者を顔認識で特定し、年齢・性別やPOS情報と合わせてマーケティングに役立てる | 不審者の顔画像を登録すると、過去の映像やリアルタイム映像から同一人物を検索/抽出する | 自動車の移動履歴などから行動パターンを分析、予測する |
利用料(税別) | 月額7万円から | 個別見積もり | 個別見積もり |
発表 | 2012年11月7日 | ||
提供開始 | 2012年11月7日 | 2013年1月末 | 2013年3月末 |