国内のプライベートクラウド市場が急拡大する。IDC Japanの調査によると、2016年の市場規模は2011年実績の約5倍となる1兆1132億円に達しそうだ。2011年の市場規模は2257億円だった。2012年は前年比47.4%増の3328億円になる見込みだ。2011年から2016年までの年間平均成長率は37.6%と、しばらくは高い成長率で市場が拡大し続ける。

 IDCはプライベートクラウド市場を、IT資産の所有権や利用形態によって三つに分けて定義している。IT資産をユーザー企業が所有し専有する「オンプレミスプライベートクラウド」、IT資産はITベンダーが所有して特定の企業グループで専有する「デディケイテッドプライベートクラウドサービス」、IT資産はITベンダーが所有し特定業種内などコミュニティー内で利用する「コミュニティークラウドサービス」である。

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 現在の主流は、市場の約7割を占めるオンプレミスプライベートクラウドだ。一方、急速に市場が拡大するのが、コミュニティークラウドサービスである。現在はほとんど市場がない状態だが、2016年にはプライベートクラウド市場の3割強を占めるようになる。IT投資抑制やシステムの標準化といった点でも、自社でIT資産を所有しないプライベートクラウドが広がりそうだ。