KVM on LPARのシステム構造(出典:日立製作所)。現時点でのサポート構成は、1ブレード当たり2LPARまで
KVM on LPARのシステム構造(出典:日立製作所)。現時点でのサポート構成は、1ブレード当たり2LPARまで
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 日立製作所とレッドハットが共同開発した「KVM on LPAR」は、日立のブレードサーバー「BladeSymphony」の論理パーティション(LPAR)上で、Red Hat Enterprise Linux標準の仮想化ソフト「KVM」を動かすための仕組みである。マルチテナントのクラウド環境において、テナントごとに割り当てたLPAR上でKVMを動かすことで、負荷変動や障害から各テナントの独立性を高めることができ、1台のサーバー上に複数のテナントを集約しやすくなる。

 BladeSymphonyは、独自開発のサーバー仮想化機構「Virtage」を標準で備える。これにより、CPUやメモリー、I/Oなどのハードウエア資源を複数の論理パーティションに分割し、それぞれを独立した1台のサーバーのように利用できる。コア単位でCPUを占有してオーバーヘッドを減らす「占有モード」と、負荷に応じてCPU使用率を1%単位で動的に変更できる「共有モード」を用意。CPUとは独立してI/Oも占有と共有を選択できる。

 さらに、I/Oエミュレーションを極力排除してオーバーヘッドを低減するために、I/Oアシスト機構を独自開発した。これにより、各ゲストOSからハードウエアへの直接アクセスを可能にし、物理サーバーに近い性能や信頼性の達成を図っている。

 KVM on LPARは、この論理パーティション上で、ハードウエア競合などの問題なくKVMを動かすための仕組みである。既存のBladeSymphony BS2000のユーザーは、Virtageをバージョンアップすれば、追加費用なしで使用できる。

KVM on LPARの概要
動作環境BladeSymphony BS320/BS500/BS2000
価格個別見積もり。既存のBS2000ユーザーは、Virtageをバージョンアップすれば、追加費用なしに使用可能
発表2012年9月13日
出荷開始2012年11月1日