拡大需要を満たした企業が躍進

 クラウドサービスを提供する拠点となるデータセンター。ITベンダー各社の主力データセンターについて、その仕様や規模、サービス内容を尋ねたのが「データセンター」部門である。

付加サービスの充実に注力

 同部門のベストサービスは、NTTコミュニケーションズ、KDDI、富士通、NTTデータの4社だ(表1)。4社は「ネットワーク」「保守サポート」「実績」で共通して高い評価を獲得している。中でも「ネットワーク」については、全社が満点だった。

表1●データセンター部門のベストサービス
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 「ネットワーク」の項目では、利用できるインターネット回線事業者や、VPN(仮想私設網)など閉域網サービス提供事業者、付加サービスの内容などを尋ねた。クラウドサービスのセキュリティや利便性などを左右する項目だ。

 ベストサービスの4社は、いずれも自社グループ以外の主要な通信事業者を選択できるようにしている。例えばNTTコミュニケーションズは、インターネット回線事業者としてKDDIやソフトバンクグループなども選べる。

 ベストサービス各社は、ネットワーク関連の付加サービスも充実させている。ファイアウォールによる不正侵入の防御、ウイルス対策といったセキュリティ関連、機器の運用代行や負荷分散装置の提供といった運用保守関連のサービスなどを用意する。

 「保守サポート」の項目では、サポートサービスの提供時間や運用アウトソーシングの内容、専任担当者のアサインの可否を尋ねた。4社は共に24時間365日のサポートを提供。専任担当者についても、全社がアサイン可能としている。NTTコミュニケーションズ、KDDI、富士通の3社は、ハードウエアの導入や設定、運用、アプリケーションの保守といった作業まで請け負う。

進むデータセンター建設

 東日本大震災以降、データセンターの耐震性能や電源供給能力に、ユーザー企業の注目が集まっている。サイバー攻撃が頻発する昨今の情勢を受けて、外部機関によるセキュリティ監査・認証の有無も、ユーザー企業にとって重要な選択基準だ。これらを尋ねたのが「建物性能」の項目である。

 この項目で特に高評価を獲得したのがNTTコミュニケーションズだ。同社が保有するデータセンターは、震度8規模の地震に耐える。非常用電源装置の冗長度については、全ての非常用電源装置を二重化する「2N」の設備を用意している。

 KDDIと富士通も、「建物性能」の評価が高かった。KDDIは電源供給経路の冗長度について、本番の供給経路を二重化する「本線2経路」の設備を備える。富士通は非常用電源装置の供給可能時間について「72時間以上」としている。

 「実績」については、ベストサービス入りした4社のうちNTTコミュニケーションズ、富士通、NTTデータの3社で、国内のユーザー企業数が1000社を超えた。

 このほかベストサービスではないが、日立製作所やインターネットイニシアティブ(IIJ)、NECなどのITベンダーが高評価を得た。

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