大手が安定した強みを発揮

 IaaSやPaaSの導入を支援する「パブリッククラウド導入支援サービス」部門では、日立製作所が新たにベストサービス入りした。「プライベートクラウド構築支援サービス」部門では、富士通がベストサービスに加わった。それ以外の上位は、前回調査とほぼ同じ顔ぶれがそろった。

 パブリッククラウド導入支援サービス部門のベストサービスは、日立、日立ソリューションズ、TDCソフトウェアエンジニアリングの3社である(表1)。

表1●パブリッククラウド導入支援サービス部門のベストサービス
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 日立は「プラットフォームリソース提供サービス」向けの支援サービスが選ばれた。これは日立が自社で開発・提供するもの。クラウド基盤サービス部門でもベストサービスを獲得したサービスだ。日立ソリューションズのサービスは、日本マイクロソフトの「Windows Azure Platform」、セールスフォース・ドットコムの「Force.com」などに加えて、自社製の「SecureOnline」を対象とする。

 日立と日立ソリューションズは、いずれも「保守運用支援」で高評価を得た。両社ともサービスの稼働率などの数値目標をユーザー企業に明示している。セキュリティ対策やデータのバックアップ、災害時のサービス復旧支援などについても、独自のサービスを提供している。

 TDCソフトの高評価の要因は、「サービス内容」の充実度だ。ユーザー企業が「Salesforce CRM」を導入する際の事前コンサルティングからライセンス契約の締結支援、システム開発、データ移行、保守運用支援まで、幅広く手掛ける。

 パブリッククラウド導入支援サービス部門の回答全体に目を向けると、各社がクラウド導入支援事業を強化しつつある傾向が浮かび上がった。それを示す数字が、「支援サービスを提供可能なエンジニア数が、自社の全エンジニアに占める割合」である。今回の調査では、75%以上と回答した企業が全体の10%に達した。前回調査では75%以上の企業はなく、25%以上と答えた企業も7%にすぎなかった。

 メニューだけでなく、サービス提供にあたる技術者が増えることで、ユーザー企業はクラウドをより利用しやすくなるだろう。

顧客の要望に手厚く対応

 プライベートクラウド構築支援サービス部門では、日立、NTTコミュニケーションズ、富士通、新日鉄ソリューションズ、日本IBMの5社をベストサービスとした(表2)。

表2●プライベートクラウド構築支援サービス部門のベストサービス
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