クラウドサービス総覧2012年版の特定業種業務向けSaaS編では、18社が提供する50サービスごとに、サービス名称、紹介URLとともに、(1)サービス内容関連、(2)カスタマイズ関連、(3)料金関連、(4)契約関連、(5)信頼性関連、(6)保守サポート関連、(7)運用セキュリティ関連、(8)実績関連という8分野にわたって、計32項目もの詳細なデータを掲載する()。

分野 調査項目
サービス名称など 名称、紹介サイトURL
サービス内容 サービスの基本タイプ、サービスの種類、サービスの内容・機能、利用可能なクライアント種別
カスタマイズ関連 画面のカスタマイズ方法、業務ロジックの設計・構築方法、データベースの設計・構築方法、他システムとの連携、導入支援やカスタマイズを実施する国内での認定パートナー企業数、業務パターンなどを設定済みのテンプレート数
料金関連 最小構成時の初期費用、期間以外の利用料金の変動要因、期間による課金単位
契約関連 利用開始時の申し込み方法、構成変更時の指示方法、最低契約期間、利用開始までの期間、設定変更にかかる期間
信頼性関連(標準で顧客に保証するサービスレベル) 保証するサービス稼働率、サービス停止と見なす処理途絶時間、計画停止の通知時期、障害・災害発生時の通知方法
保守サポート関連(標準で顧客に保証するサービスレベル) サポート時間(日本時間)、サポート受付方法、バックアップデータの保持期間、システムログの開示
運用セキュリティ関連(標準で顧客に保証するサービスレベル) 外部機関によるセキュリティ監査・認証(SAS70など)、ユーザーデータの保証、契約終了時のデータ返却、国内データセンターの指定可否
実績関連 日本国内における法人ユーザー数(地方自治体なども含む)、全世界における法人ユーザー数(地方自治体なども含む)

 SaaSと言えば、自社でシステムを構築・所有するより短期間で利用を開始できることが特徴のはずである。しかし特定業種業務向けSaaSは、ユーザーごとにカスタマイズする範囲が大きいせいもあってか、申し込みから「利用開始までの期間」は「1週間超」が6割を超える。「同日内」という回答はゼロだった。

 もう1つ気になるのが、カスタマイズへの対応だ。ネット経由でアプリケーションを利用するSaaSは、オンプレミスな自社システムに比べると融通が利かない。本調査では画面、業務ロジック、データベースのカスタマイズ方法(ユーザー自身が設定できるか、など)、他のシステムとの連携(連携用APIを公開しているか、など)、さらに、カスタマイズを実施する認定パートナーを質問している。

 次ページから、特定業種業務向けSaaSのサービス一覧を表示する。御社の特定業種業務向けSaaS選択の一助となれば幸いである。

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