国内企業のIT支出は、横ばいで推移しそうだ。IDC Japanの調査によると、2010年におけるIT支出額の合計は、前年比0.3%増の9兆4870億円である。2009年は同1.4%減の9兆4600億円だった。国内経済は徐々に明るさが増しており、それに伴いIT支出が微増している。だが、本格的な回復には時間がかかりそうだ。

 2010年のIT支出額を企業規模別に見ると、規模が大きいほど回復傾向にある。従業員が1000人以上の大企業は5兆8509億円(前年比0.6%増)、500~999人の中堅企業は8427億円(同0.2%増)、100~499人の中小企業は1兆5834億円(同0.1%減)、99人以下の小規模企業は1兆2099億円(同0.5%減)である。

 国内企業のIT支出は、2011年から緩やかに回復する。同年のIT支出額は、従業員が1000人以上の大企業は前年比1.4%増、999人以下の中堅中小企業は同0.1%増、全体では同0.9%増の9兆5700億円に成長する見通しだ。

 IT支出額のプラス成長は、2012年以降も続く。

 全体では2012年に9兆6200億円、2013年に9兆6600億円、2014年に9兆6800億円になる。システムの新規開発や再構築プロジェクトの凍結が解除されるなど、ユーザー各社のIT投資は徐々に再開されていきそうだ。

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