国内通信事業者によるセキュリティサービスの市場が伸びている。IDC Japanの調査によると、2010年は前年比7.9%増の3099億円、2011年は同12.3%増の3480億円になりそうだ。2009年から2014年までの年間平均成長率は12.4%で、2014年には5000億円を突破するとみられる。

 市場が拡大している主な要因は、大企業を中心にセキュリティ関連のシステム構築や運用管理、教育/トレーニングをアウトソーシングする動きが活発になっていることだ。特に生産拠点や販売拠点の海外進出を加速している企業で、通信事業者が提供するセキュリティ関連サービスのニーズが高まっている。

 通信事業者のセキュリティサービスのうち、過半を占めているのがシステム運用管理だ。2010年は1944億円、2011年は2217億円と推移し、2014年には3417億円に達する。2014年の市場規模の大きさで見ると、これにシステム構築(1138億円)、コンサルティング(591億円)、教育/トレーニング(7億円)が続く。

 ただし、セキュリティサービス市場でも単価下落が課題になっている。海外拠点での支援体制を充実させるなどして、セキュリティサービスの付加価値を高められるかどうかが、今後のポイントとなりそうだ。

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