国内のプライベートクラウド市場が急成長しそうだ。IDC Japanによると、プライベートクラウド市場は2010年から2015年の年間平均成長率が41.7%で推移する見通しである。2010年の国内市場規模は、利用企業の支出額ベースで1646億円となった。2015年の市場規模は、2010年の約5.7倍に当たる9406億円に達すると予測している。

 2011年以降、国内プライベート市場で最も大きく成長するのは「コミュニティークラウドサービス」である。コミュニティークラウドサービスは、特定の企業グループや組織グループを対象に事業者が提供するサービスを指す。ある業界向けに特化したクラウドや共同センターなどが該当する。

 コミュニティークラウドが成長する要因の一つになりそうなのが、スマートシティのような社会インフラ事業である。エネルギー管理システムや医療関連のシステムなどを、コミュニティークラウドとして構築する動きが始まっている。

 利用企業がIT資産を所有する「オンプレミスプライベートクラウド」や、サービス事業者がIT資産を所有し、特定の企業が利用する「ホステッドプライベートクラウドサービス」についても、IDC Japanは大きな成長を見込んでいる。

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