東日本大震災後、企業にとって業務継続性の確保、電力使用量の抑制に向けたIT環境の見直しが急務となっている。その見直しの対象の一つとして最近、仮想デスクトップ、あるいは「デスクトップクラウド」が話題に上ることが多い。モデルは、いわゆるシンクライアントと同じである。

 従来は各部署にパソコン(PC)を配置し、それぞれにOS、アプリケーションソフトを動作させ、データも多くの部分をローカルに保存していた。仮想デスクトップは、これらのOSやアプリケーションを集中配置した仮想サーバー上で動作させ、データも一元化したストレージに保管する。端末からはネットワークを介してアプリケーションを操作し、データにアクセスする。デスクトップクラウドとは、このサーバー仮想化環境をクラウド上で実現するものを指す。

 デスクトップ環境をデスクトップクラウドに移行させることで、ネットワークにさえつながればどこでもオフィスと同じ環境で業務を継続できる。さらに、デスクトップ用のコンピュータリソースを必要最小限に抑え、その集約効果によって電力も節約できる。既に国内でも、いくつかの通信事業者やデータセンター事業者、システムインテグレータなどがパブリッククラウドサービス(DaaS)を提供している。並行して、金融機関、官公庁を中心に導入も進みつつある。

端末2000台規模での導入を想定

 そこで今回、デスクトップクラウド導入プロジェクトを想定し、ベンダー各社に提案を募った。オンプレミス型の仮想デスクトップも対象に含めた。

 想定するケースは、新規に導入するシンクライアント端末が2000台。そのほか、300台程度ある既存のPC(ファットクライアント)もシンクライアント化し、同じ仮想デスクトップ基盤を利用できるようにすることを前提としている(表1)。

表1●デスクトップクラウド導入プロジェクトの概要
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ポイントはココ!
■アプリ、外部接続機器などの対応が、操作性や生産性維持のための鍵を握る
■性能、運用体制、セキュリティなど、安定したデスクトップ環境へ、まずは多様な要件を整理

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