Microsoftはひっそりと同社の電子百科事典である「Encarta」の終了を発表した。DVD(あるいは複数のCD)でまだしばらくは利用できる。在宅教育をしているか、それを検討しているなら、コピーを探す価値があるだろう。Encartaは最も権威のある百科事典というわけではなかった。それは「Britannica」だという意見が大多数だろう。しかし、最もクールなものの1つである。

 最初のEncarta(1993年)は「Funk and Wagnalls」の百科事典のCD-ROMバージョンだった。「Funk and Wagnallsで調べよう」というのがお笑いやテレビのコメディー番組のキャッチフレーズだったのを思い出す読者もいるだろう。この百科事典は、昔は食料雑貨店やスーパーマーケットで売られていて、1巻物で広く販売されていた。Microsoftは美的な理由とマーケティング上の理由で同社のバージョンは名前を変えて「Encarta」にした。Funk and Wagnallsは2000年ごろまでは印刷版を売り続けていて、その痕跡が電子形式で学術参考図書として今も存在している。しかし大部分はEncartaの中に生き残った。

 Microsoftは百科事典ビジネスにかなり真剣に取り組んだ。Microsoftは最初Britannicaに話を持ちかけた。だが、Britannicaは消極的だった。CD-ROM版のために印刷版の販売が損失をこうむるのではないかと懸念したのだ。Britannicaは明確さと正確さの両方で最も評価の高い百科事典だと一般に認められていたが、1994年に、慎重な審査の結果「Colliers Encyclopedia」の方が優れていると評価された。そこでMicrosoftはColliersを買収し、Encartaにそれを組み入れ、同製品の改善に取り組み続けた。

 一方、Britannicaは財政難に陥り、スイスの資産家に帳簿価格を大幅に下回る価格で売却された。それまでのほぼすべての競合製品とは違って、Britannicaは、印刷、メディア、オンラインバージョンで存続している。