シマンテックは2004年2月12日,日本国内における迷惑メールの実態調査結果を発表した。パソコンを利用してインターネットに接続している人の83.2%が,何らかの形で迷惑メールを受信した経験があると答えた。迷惑メールの数が増加傾向にあることも分かった。ここ1年ほどで増えたと答えた人が50.9%だったのに対し,減ったと答えた人は15.3%に過ぎなかった。

 この調査は,シマンテックの委託を受けてインフォプラントが実施した。同社は,インターネットを利用して市場調査を実施している。まず,同社に登録している回答者から無作為に選んだ4002人に,迷惑メールを受信したことがあるかどうかを質問した。受信経験のある人の割合は,年代や性別ごとの集計でも軒並み75~90%と大きな偏りはない。

 ただ迷惑メールの数は,自宅宛と職場宛で大きな差が出た。迷惑メールを受信したことがあると答えた回答者のうちから1200人を選び,受信状況について詳しく調査した。その結果,自宅宛に届く迷惑メールが圧倒的に多いことが分かった。全体の70.7%が1日に1通以上の迷惑メールを自宅で受け取っており,10通以上受信している人も15%程度いた。一方の職場宛には,1日に1通以上届くと答えた人は25%にとどまった。その理由として「会社のメールサーバーに対策ソフトが導入されていることが考えられる。また,職場のアドレスが迷惑メール配信業者に漏れる確率も低い。インターネットでの物品の購買や掲示板への書き込みなどに,職場のアドレスを利用する人が少ないからだ」(シマンテックコンシューマ事業統括の齋藤秀明副社長)。

 シマンテックは,迷惑メールを受信した際の対応についても警告した。無差別に送信されるメールの中には,受信を拒否したい場合は指定のメールアドレスにメールを送ったり,指定のURLにアクセスするようにというメッセージを含むものがある。調査の結果,こうしたメッセージ通りに対応している人が全体の20%以上もいた。「こうした行為は,自分のアドレスが実際に機能していることを送信者に知らせることになる。かえって迷惑メールが増える可能性が高いので,避けるべき」(シマンテックコンシューマ・マーケティング部プロダクト・マーケティング・マネージャの田上利博氏)。

(八木 玲子=日経バイト)

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