資料の紹介

 SiC MOSFETは、エネルギーバンドギャップが広いことから、高耐圧、高温動作可能というシリコンにはない特徴を備えている。電流容量はIGBT並みに高く、かつ耐圧はSi MOSFETよりも高い。またIGBTとは違い、オフするときのテール電流がなく高速である。しかし、SiC MOSFETのゲートドライブはSi MOSFETとは異なる技術が必要になる。

 SiC MOSFETのドレイン電流はシリコンとは違って飽和せずgmが小さいがゲート電圧を高めれば電流を制御しやすくなる。ゲート電圧が高い場合、オン抵抗は温度と共に上昇するが、ゲート電圧が低いと低温動作で温度と共にオン抵抗が下がる。SiCの絶縁電圧がSiの10倍もあるため、小さな面積で同じ耐圧をとれるというSiCの利点があり、ゲート容量は小さい。しかしゲート抵抗は高くなる。ゲート電圧をゼロにしてもゲート電荷はゼロにならないため、ゲート電圧をマイナスにしなければ放電しない。電流が飽和しないため過電流保護回路も欠かせない。このためゲートドライブ回路には制限がある。

 ゲートドライブ回路はディスクリート部品で構成すると複雑で難しくなる。本資料では、ゲートドライブ回路をIC化することにより設計注意点を定量的に示しており、一読の価値がある。具体的なPWM起動回路やローサイドスイッチ、ハーフブリッジなどの応用例、評価ボードも示されている。

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