Fintech(フィンテック)のなかで今、「オンライン・レンディング」と呼ばれる新たなビジネスモデルが注目を集めている。オンライン・レンディングとは、銀行を中心とした伝統的な金融機関が行う融資業務に替わり、ICTを活用して従来とは異なる新たな審査方法や貸出方法で多くの利用者への融資機会を提供するものだ。AI(人工知能)をはじめとするICTによるイノベーションによって、これまで実現できなかったビジネスを展開する。日本国内でも始まったオンライン・レンディングの事例から、ビジネスモデルやシステム開発の実態を追う。

 海外では既に、オンライン上で小口の融資をスピーディーに提供するサービスや、金融業界以外の企業による独自の審査方法による融資サービスなど、さまざまなオンライン・レンティングのサービスが広まっている。ここにきて、日本においてもオンライン・レンディングに本格参入する企業が登場してきた。

 その1社が、アルトア株式会社(以下、アルトア)だ。同社は、会計ソフトウェアベンダーである弥生株式会社(以下、弥生)の子会社として2017年2月に設立された。弥生が持つ会計ビッグデータと、弥生の親会社であるオリックス株式会社(以下、オリックス)が持つ金融・与信ノウハウ、そしてAI技術を活用した全く新しい与信モデルによるオンライン融資モデルを開発し、2017年12月に小規模事業者向けの融資サービス「アルトア オンライン融資サービス」を提供開始した。このサービスを支える基幹システムの構築は富士通が担当。シリコンバレー発の最先端の融資プラットフォームを利用し、着手して半年ほどという短期間での立ち上げを実現した。

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