仕事の中にあるムダをなくし、より成果をあげるために
【日経BP総研・桔梗原 富夫が見る、この事例のポイント】
働き方改革のインフラ的な役割を担うグループウエア。様々なソリューションが提供されていますが、大きな機能は同じでも、それぞれ「個性」があり、「どのような働き方を理想としているか」が異なります。働き方改革は画一的なものではありません。サービスを選ぶ際には、自分たちが目指す姿について考えるべきでしょう。NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、どのような働き方を目指し、どうやってサービスを選んだのか。同社の視点は、多くの企業の参考になるはずです。
企業のデジタルマーケティングを支援するNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション。約200名の従業員の中には、データサイエンティストやプログラマー、コンサルタントなど専門的なスキルを持つメンバーも多い。多様な人材がチームを組みながら、調査・分析や、マーケティング施策に必要な基盤の構築、施策の実施支援までをカバー。企業のマーケティングパートナーとして存在感を高めている。
同社は2016年、生産性を高めるための改善活動を開始した。この活動が、仕事のやり方を変え、より成果をあげるための、働き方改革につながってきた。
「活動のきっかけは業務の中のムダ。朝、PCを立ち上げた後、メールを送受信できるようになるまでの待ち時間を減らせないかというところから始まりました。『同じ成果であれば、かかる時間は短い方がよい』という価値観を社内に根付かせようとしていた時期でもあり、この活動をきっかけに働き方改革への機運が高まりました」と同社の矢部 圭崇氏は説明する。
起動に時間がかかるPCの入れ替えに始まった活動は、働き方の改革につながっていく。会議の準備を短縮するためにペーパーレス化を前提として、会議室には資料を映し出すための大型モニターを設置。加えて、メールを中心とするコミュニケーション環境の刷新にも着手し、Google Cloud(TM)の「G Suite(TM)」を採用した。
なぜ同社はG Suiteを選んだのか――。以下では、同社が抱えていた具体的な課題や導入後の新しい働き方を紹介していく。