デルとEMCジャパンは2018年12月4日、「Dell EMC Ready Solutions for AI」を発表した。同日から提供している。AI(人工知能)環境の導入を簡素化できるハードウエアとソフトウエアのセット(パッケージソリューション)が2種類と、それらの導入サービスで構成される。

 パッケージソリューションの1つはディープラーニング(深層学習)用の「Deep Learning with NVIDIA」。GPUを搭載し計算処理をする「PowerEdge C4140」サーバーが4台と、管理ノードや利用者用ポータル、ストレージの提供などを搭載した「PowerEdge R740」サーバー1台で構成。AI用のフレームワークやライブラリー、ポータルなどの深層学習用ソフトウエア一式を搭載した状態で提供する。

デルとEMCジャパンの「Deep Learning with NVIDIA」
デルとEMCジャパンの「Deep Learning with NVIDIA」
(出所:デル、EMCジャパン)
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 もう1つのパッケージソリューションは「Machine Learning with Hadoop」。データ分析基盤のHadoopクラスターが既にあることが前提。「PowerEdge R640」サーバーに、データサイエンティスト用のセルフサービス基盤である「Cloudera Data Science Workbench」と、その上で動作する深層学習アプリケーション開発用のライブラリーなどを事前設定したコンテナを搭載する。

 Deep Learning with NVIDIAとMachine Learning with Hadoopのいずれも、ソフトウエアの動作を検証済み。AIを利用したいと考える企業は、環境構築に使う時間を短縮できるメリットを得られるとしている。

 また両パッケージソリューションに対して「Ready Solutions for AI導入サービス」を用意している。このサービスでは、Deep Learning with NVIDIAに関してはAI関連ツール群の使い方や選択方法のアドバイスなどをする。Machine Learning with Hadoopに関しては、Cloudera Data Science Workbenchの導入と設定を行い、AI関連ツール群の使い方や選択方法のアドバイスなどをする。詳細な使い方などを指導するメニューも用意している。

 価格はDeep Learning with NVIDIAが税別5561万円から。Machine Learning with Hadoopが2493万円から(いずれも税別)。Ready Solutions for AI導入サービスの料金は個別見積もり。このほかDell EMC Ready Solutions for AIに関連した動きとして、提供中の「データサイエンティスト育成プログラム」を、深層学習などに対応させる形で強化した。

 東京・三田にある「Dell EMCカスタマーソリューションセンター」内に、Dell EMC Ready Solutions for AIの機能を体験したり検証したり、導入に関する打ち合わせをしたりできる「Ready Solutions for AI エクスペリエンスセンター」を設けた。またAIに関するパートナーとの連携を推進する。

デル 執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部の上原 宏 本部長
デル 執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部の上原 宏 本部長
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 同日開催した発表会で、デル執行役員インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括製品本部の上原宏本部長は、今後ユーザー企業はオンプレミス環境において高付加価値の用途を持つ製品に投資するだろうと指摘。そうした高付加価値分野向けソリューションの第1弾がAI用のDell EMC Ready Solutions for AIだと説明し「2019年に第2弾、第3弾を発表する予定」とコメントした。