マカフィーとソフトバンク・テクノロジーは2018年11月8日、クラウド環境におけるセキュリティーソリューションの提供で協業すると発表した。マカフィーが提供する「CASB(クラウド・アクセス・セキュリティー・ブローカー)」製品を拡張した「MVISION Cloud」と、顧客のセキュリティーシステムを24時間365日運用・監視するソフトバンク・テクノロジーの「マネージド・セキュリティー・サービス(MSS)」を組み合わせた「MSS for CASB」を2018年度内に提供開始する。

左からソフトバンク・テクノロジーの児玉崇取締役上席執行役員、マカフィーの山野修社長、ソフトバンク・テクノロジーの後藤行正取締役常務執行役員
左からソフトバンク・テクノロジーの児玉崇取締役上席執行役員、マカフィーの山野修社長、ソフトバンク・テクノロジーの後藤行正取締役常務執行役員
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 CASBはユーザーとクラウドサービスの間にコントロールポイントを設置し、一貫性のあるセキュリティーポリシーを適用する考え方。シャドーITを含め、米マイクロソフト(Microsoft)の「Office 365」といった複数のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)などを利用するマルチクラウド環境で、従業員の利用実態を把握したり、自社のセキュリティーポリシーを適用して特定ユーザーやアプリケーションの利用を制限したりできる。

 しかしながら「顧客から『可視化はできても実際にどう制御すればよいのか』といった声が多かった」(ソフトバンク・テクノロジーの児玉崇取締役上席執行役員)ため、運用・監視サービスと統合したサービスの開発に至った。CASBと運用・監視サービスの組み合わせは日本初という。顧客は自社要件に応じたセキュリティーポリシーの設定や不審なログの検知と自動制御、従業員の利用状況を機械学習モデルで分析し危険な行動を遮断するといったサービスを受けられる。