ラックは2019年3月1日、サイバー空間におけるトラブル回避につながるIT知識を世代・立場別にまとめた指南書「情報リテラシー啓発のための羅針盤(コンパス)」を公開した。指南書およびプレゼンテーション資料を同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。教育関係者や保護者など、啓発活動にかかわるユーザーの利用を見込む。

102ページのA4判PDFで無償提供
ラックの「情報リテラシー啓発のための羅針盤(コンパス)」
[画像のクリックで拡大表示]

 同書はインターネットに代表されるサイバー空間上のトラブルを「情報モラル」「情報セキュリティ」「消費者トラブル」の3分野37項目に分け、それぞれにおけるトラブルの概要と対策の指針を啓発対象者の属性別にまとめたもの。サイバーセキュリティーにとどまらず、フェイクニュースや炎上トラブルで加害者になるリスクや情報商材や高額課金の被害リスクまで網羅する。

 属性は未就学児・小学生(1~4年)、小学生(5~6年)、中学生、高校生、大学・専門学校生、ITに習熟した成人、ITに不慣れな成人、保護者、教育関係者の9つ。各項目で、概要、属性別の到達目標、影響範囲とリスク、属性特有の注記、関連法令や罰則、参考事例を列挙する。各項目に対応する図表は、「情報リテラシー啓発のための羅針盤 参考スライド集」として別途提供する。

60ページのA4判PDFで無償提供
ラックの「情報リテラシー啓発のための羅針盤 参考スライド集」
[画像のクリックで拡大表示]

 ラックの研究開発部門である「サイバー・グリッド・ジャパン」の啓発活動で得られた、世代や立場に応じた情報の提供や具体的な刑事罰の例示などの知見を盛り込んだ。お茶の水女子大の坂元章教授(社会心理学)、甲南大の園田寿教授(刑事法)ら5人の学識者が監修を担当。今後は、37項目のインシデントの見直しや同社の啓発活動によるノウハウを随時反映するという。