無線LANは、有線LANとは異なり物理的なLANケーブルが不要なので、ユーザーにとって利便性が高い。一方、無線LANを提供する側にとっては、有線LANにはない特有の難しさがある。そこで本特集では、快適な無線LANを失敗せずに構築するための勘所を解説する。

 企業の無線LANでは、社員向けのサービス以外に来客(ゲスト)向けのサービスを提供することもある。ここでは、ゲスト向けに無線LANサービスを提供する場合の注意点を挙げていこう。

 まず、社員向けとゲスト向けのネットワークは分離する必要がある。

社員向けとゲスト向けでVLANを分割
社員向けとゲスト向けでVLANを分割
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 ゲスト向けサービスから社内ネットワークに侵入されるのを防ぐためだ。管理のしやすさやセキュリティを考慮すると、VLAN(Virtual LAN)でネットワークを分割するのが一般的だろう。VLANとは、スイッチを使ってネットワークを仮想的に分割する技術のこと。

 論理構成としては、社員向けとゲスト向けにVLANを分割し、無線LANに接続するためのSSIDも別のものを用意する。ただし、社内向けのAPとゲスト向けのAPを別々に用意するのは現実的ではない。実際には、複数のAPに社内向けのSSIDとゲスト向けのSSIDの両方を登録する。これにより、ユーザーが移動しても無線LANの接続を維持できる。

 ゲスト向け無線LANを実現するには、専用のSSIDを用意して、パスワードを口頭や掲示で伝えることも多いだろう。ただ、こうした運用ではパスワードを知った第三者の接続を防げない。

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