PCが全く使えない新入社員がやって来た――。実は、それほど珍しいことではない。近年、大学生のPCスキルは低下していると言われている。もし自分の職場にPC操作に不慣れな新人がやって来た場合、どうすればよいのだろうか。

大学生の7割がPCスキルに自信無し

 NECパーソナルコンピュータが2017年2月に発表した「大学生(1年生~3年生)・就職活動経験者(大学4年生)、人事採用担当者を対象とするPCに関するアンケート調査」によると、9割以上の大学生がPCを所有しているものの、7割以上はPCのスキルに自信が無いと感じている。そして人事採用担当者の約6割も、「新入社員にPCスキルの不足を感じる」と回答した。

 大学生などの若者がPC操作に不慣れだという指摘は、それ以前からたびたびされていたが、ここ数年はその傾向がいっそう顕著になっている。日常的に使用する中心的なデバイスが、PCからスマートフォンへと変わっていったことと関係があると思われている。

 筆者の周囲でも、「新入社員が液晶画面をタッチして操作しようとしていた。PCは全てタッチ対応だと思っていたようだ」「タッチタイピングができる新人のほうが珍しい」「新人の前でショートカットキーでPCを操作したら、“今のは何ですか”と言われた」といった声が複数聞かれた。

PCを操作できなくても「当たり前」と考える

 とは言え、PCの操作スキルが使いこなせるレベルにとても達しているとは言えない若い人たちの全員が、他の機器でも同じなのかというと、そうではない。若者の多くは、スマホなどの新しいデジタルデバイスを説明書無しで使いこなす。逆にPCのOfficeアプリケーションなど、マニュアルや参考書を読んで使い方を習得する必要があるものは苦手というわけだ。

 40代以上では、スマホでのフリック入力にイライラして「PCでタイプしたほうが速い」と感じる人が多いだろう。しかし20代では逆に「フリック入力のほうが楽」という人も多くいる。

 新人のPCスキルが予想外に低くても、それは現在では珍しいことではないのだから、想定内と捉えよう。とは言え、1日も早く業務に必要なスキルを身に付けてもらう必要がある。自分がPC初心者だった頃を思いだし、PCの基本操作やタッチタイピング、日常業務に欠かせないExcelとWordの操作方法を習得してもらおう。

Excelは業務でよく使うアプリケーションの1つ
Excelは業務でよく使うアプリケーションの1つ
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