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 2015年末に緊急記事として、FTC(米国連邦取引委員会)が公開した綱領を緊急掲載の形で取り上げた(関連記事:【年末緊急掲載】広告であることを明確にせよ!、FTCが年末に発表した綱領で目指すもの)。この綱領は、ネイティブ広告を含む“一見広告に見えないフォーマットを持つ広告”の具体例を挙げ、広告であると明示する表記方法のガイドラインを示したものだ。このガイドラインは、約2年前にIAB(Interactive Advertising Bureau:インタラクティブ広告協議会)が発表したものより厳しいと解釈できる。

 今回FTCが厳しめのガイドラインを発表した背景には、米国でネイティブ広告をはじめとした“一見広告に見えないフォーマットを持つ広告”が、あまりにも“広告に見えな過ぎる”ため、消費者が誤認するケースが急増していることがあるとされている。そういった状況を裏付ける論文を、2015年12月半ばに、ジョージア大学グレーディー校が発表した。

 この論文は242人の被験者に実施した、二つの実験の結果をまとめている。一つめの実験は、広告であると明示したネイティブ広告を12パターン閲覧してもらい、どの表記パターンのネイティブ広告が広告として認識されたかを調べたもの。具体的には「Advertising」「Sponsored Content」「Brand-voice」「Presented by LEOMotive(架空の社名)」という4パターンの文言と、「コンテンツの先頭」「コンテンツの中ほど」「コンテンツの末尾」という3パターンの位置を組み合わせて実験した。

 もう一つの実験は、広告であることを明示する表記をどの位置に置けば広告として認識されやすいか検証した。具体的には上述の広告を閲覧する被験者の視線をアイトラッキング(人間の視線の動きを追跡・分析する方法)分析している。

 実験結果は、ほとんどの被験者は、広告であることを示す表記のパターンや位置にかかわらず、閲覧したコンテンツが広告であると認識できないというものだった。その数は93%にのぼる。

 ただし「Advertising」や「Sponsored Content」という文言の方が「Brand-voice」や「Presented by LEOMotive」という表記よりも広告として認識されやすいという結果も見えた。表記位置では、コンテンツの中ほどに配置されているものが最も広告として認識されやすかった。続いてコンテンツ末尾、そしてコンテンツの先頭へと続く。

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