日立システムズの「経理自動運用シナリオ」は、経理業務をRPA(ロボットによる業務自動化)を活用して効率化するテンプレート集である。会計ソフト「SuperStream-NX 統合会計」を用いた定型的な経理業務をRPAで自動化する。すぐに利用できるようにRPAソフトを設定済みの状態で提供する。

「経理自動運用シナリオ」の業務フローの例(取引先別残高管理資料作成シナリオの例)
「経理自動運用シナリオ」の業務フローの例(取引先別残高管理資料作成シナリオの例)
(出所:日立システムズ)
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 会計ソフトのSuperStream-NX 統合会計を導入しているユーザー向けの製品であり、これまで手動で実施していた定型的な経理業務を、RPAで自動化できる。サービス化の前に手がけた実証実験では、経理自動運用シナリオの導入によって作業時間が90%以上削減できた例があるという。

 6つの業務を想定し、RPAツールで処理を作りこんでいる。簡単な調整をするだけで、すぐに利用を開始できるとしている。業務の例として、会計システムに販売管理システムから売上データを取り込む業務や、取引先ごとに管理している前渡金の残高明細作成業務などがある。

 テンプレートは、財務経理部門向けのコンサルティングサービスを手がけるグローウィン・パートナーズの公認会計士が、内部統制の観点を含めて作成した。単に処理を自動化するだけでなく、整合性、正確性、不正検知などの内部統制の視点を考慮し、不正やミスを防ぐ仕組みを盛り込んだ。

 例えば、前渡金の残高管理シナリオでは、前渡金の取崩結果が会計システムの残高と一致しているかを確認する仕組みがある。為替レートの登録シナリオでは、登録した為替レートのログを管理する機能がある。このように、内部統制で実務上考慮すべきログの管理や入力情報の正確性などを管理できる。

経理自動運用シナリオの概要
用途と機能経理業務をRPA(ロボットによる業務自動化)を活用して効率化するテンプレート集。すぐに利用できるようにRPAソフトを設定済みの状態で提供する
自動化の対象会計ソフト「SuperStream-NX 統合会計」を用いた定型的な経理業務
効果サービス化前に手がけた実証実験では、経理自動運用シナリオの導入によって作業時間が90%以上削減できた例がある
テンプレートの開発者財務経理部門向けのコンサルティングサービスを手がけるグローウィン・パートナーズの公認会計士が、内部統制の観点を含めて作成した。整合性、正確性、不正検知などの内部統制の視点を考慮し、不正やミスを防ぐ仕組みを盛り込んだ
シナリオの詳細対象業務業務概要最大
削減率
会計システムへの売上データ登録販売管理システム等の売上データを加工のうえ、会計システムにインポートし、売上仕訳計上する業務80%
会計システムからデータダウンロード総勘定元帳や試算表などの帳票を期間指定し、用途に応じて会計システムからのダウンロードを実施する業務90%
データからの経営会議、分析資料作成経営会議資料に利用する、業績素推移分析などを行った結果を作表、グラフ化し、パワーポイントにて提供する業務80%
取引先別残高管理資料作成前渡金等の計上と取り崩し管理を行うとともに、会計システム上の取引先別残高との一致を検証する業務90%
外貨レートマスターへの登録外貨レートをWebサイトから日時で取得し、会計システムマスターへ登録する業務70%
NX-CORE 仕訳並行稼働SS-NX(新システム)とSS-CORE(旧システム)リプレース時の並行稼働時に、両システムに同じ仕訳を入力する業務80%
価格(税別)シナリオ利用料が3シナリオで年間60万円から。シナリオ追加などのカスタマイズ費用は個別見積り。別途、初期導入費用とRPAソフトの利用料(年額)が必要
発表日2018年11月5日
提供開始日2018年11月5日