インターネットイニシアティブの「IIJクラウドファイルサーバソリューション」は、用途に合わせて3種類の方法でファイルサーバーをクラウド化するサービスである。Windowsのファイル共有の仕組みをWindows以外でも使えるようにしたCIFS/SMBファイルサーバーと同様の使い勝手で利用できる。

IIJクラウドファイルサーバソリューションに追加したクラウドゲートウエイ「FOBAS」の概要
IIJクラウドファイルサーバソリューションに追加したクラウドゲートウエイ「FOBAS」の概要
(出所:インターネットイニシアティブ)
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 用途に合わせて、(1)クラウド上でファイルサーバーを提供する「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(IIJ GIO P2)、(2)クラウドゲートウエイ製品を使う「Panzura」、(3)クラウドゲートウエイ製品を使い、Panzuraよりも小規模・安価な「FOBAS」の3種類から選べる。

 3つの形態の中で、最も新しいサービスが(3)のFOBASである。Amazon S3互換のREST APIでアクセスできるクラウドストレージ「IIJ GIOストレージ&アナリシスサービス」と、オンプレミスにおくクラウドゲートウエイ装置のFOBAS(FOBASコンサルティング製)を組み合わせて提供する。

 FOBASは、社内に設置したCIFS/SMBファイルサーバーとして機能する。FOBASにファイルを保存すると、バックエンドでクラウドのオブジェクトストレージにデータを保存する形になる。FOBASはキャッシュ機能も備えており、オンプレミスのストレージのように高速にアクセスできる。

 FOBASは、データ圧縮や重複排除の機能も備える。これにより、クラウドストレージに保存するデータ量を削減する。ウィルス対策、アクセスログの定期生成、クオータ(保存量の上限)の設定といった機能も提供する。Active Directoryを使ってアクセス権限を設定することもできる。

 データの保護機能にも注力した。まず、クラウドストレージ上のデータと、ユーザー拠点とクラウドストレージ間の通信経路を、暗号化する。このため、専用線やVPNを敷設する必要はない。データの格納先として、IIJ GIOストレージ&アナリシスサービスの東西リージョンに同時に保存できる。ファイルサーバーのDR(災害時復旧)対策がとれる(東日本リージョンでのサービス提供は2019年3月以降)。

IIJクラウドファイルサーバソリューションの概要
用途と機能ファイルサーバーをクラウド化するサービス。従来のCIFS/SMBファイルサーバーと同様の使い勝手で利用できる
ラインアップクラウド上でファイルサーバーを提供する「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(IIJ GIO P2)
クラウドゲートウエイ製品を使う「Panzura」
クラウドゲートウエイ製品を使い、Panzuraよりも小規模・安価な「FOBAS」
FOBASの
サービス構成
Amazon S3互換のREST APIでアクセスできるクラウドストレージ「IIJ GIOストレージ&アナリシスサービス」と、オンプレミスにおくクラウドゲートウエイ装置のFOBAS(FOBASコンサルティング製)を組み合わせて提供する
FOBASの機能社内に設置したCIFS/SMBファイルサーバーとして機能する。FOBASにファイルを保存すると、バックエンドでクラウドのオブジェクトストレージにデータを保存する形になる。FOBASはキャッシュ機能も備えており、オンプレミスのストレージのように高速にアクセスできる
FOBASの
付加機能
データ圧縮や重複排除の機能を備える。これにより、クラウドストレージに保存するデータ量を削減する。ウィルス対策、アクセスログの定期生成、クオータ(保存量の上限)の設定といった機能も提供する。Active Directoryを使ってアクセス権限を設定することもできる
データ保護機能クラウドストレージ上のデータと、ユーザー拠点とクラウドストレージ間の通信経路を、暗号化する。データの格納先として、IIJ GIOストレージ&アナリシスサービスの東西リージョンに同時に保存できる。ファイルサーバーのDR(災害時復旧)対策がとれる
価格(税別)FOBASの場合、初期費用(FOBASの導入金額)が、物理アプライアンスで398万円、仮想アプライアンスで298万円。月額費用(クラウドストレージ利用料)は、1Gバイトあたり7円
発表日2019年2月20日(FOBAS)
提供開始日2019年2月20日(FOBAS)