コンピューターが自律的に学習して、ある一定の回答を導き出すこと。多くの機器がインターネットに接続されるようになることで利用が加速。最近ではより高度な学習手法のディープラーニングも脚光を浴びている。

 機械学習とは、読み込まれた大量のデータからコンピューターが自律的に“学習”し、学習を繰り返した結果によって何らかの規則性や分類を提示すること。英語では「Machine Learning(マシーンラーニング)」と呼ぶ。

 機械学習では、その用途に応じてさまざまな手法を組み合わせて結果を導いていく。例えばパターン認識モデルの「SVM(Support Vector Machine)」、非階層的なクラスタリング手法である「k平均法」、脳の神経回路にヒントを得た数学モデルである「ニューラルネットワーク」などがある。

 概念そのものは古くからあるものの、その特性上、高い演算能力が求められることからコンピューターの進化に伴って発展してきた。さらにハードウエアの低コスト化や演算処理装置の高度化も加わり、ここ数年は飛躍的に技術が向上。最近では、膨大なビッグデータ解析に機械学習を利用し、さまざまなサービスに利用され始めている。例えばショッピングサイトのお薦め商品表示、ニュースサイトの記事レコメンド、レシピサイトの個人に合った最適な表示、カメラの顔検出、クレジットカードの不正検知などだ。

 人工知能と混同されることもあるが、機械学習はあくまで人工知能のアプローチの一種である。また、ディープラーニング(深層学習)は機械学習手法の一部であり、前述したニューラルネットワークを用いて、より深いレベルでの学習を可能としたものだ。ディープラーニングの代表的な利用法には画像・映像・音声認識などがある。今後、自動車の自動運転に不可欠となる高度な予測を支える技術としても期待されている。

●大手IT企業も注力
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写真は米マイクロソフトの「Azure Machine Learning」。米グーグルや米アマゾン・ウェブ・サービスなども機械学習のプラットフォームを提供する
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