任天堂が2016年中にサービスを開始するスマホゲーム「Pokemon GO」が注目を集めている。2016年3月29日に限定ユーザーだけに公開されたフィールドテストが始まった。共同開発を担当するのが、位置情報ゲーム「Ingress」を手掛ける米ナイアンティックだ。同社は米グーグルから独立して設立された企業。アジア地域のマーケティングを統括する須賀健人氏(写真)に事業戦略を聞いた。
フィールドテストが始まった「Pokemon GO」が話題です。
Pokemon GO(画面1)は、ユーザーが現実世界を移動することによってゲーム内でポケットモンスターを集めたり、ユーザー同士でバトルしたりするゲームです。当社の「Ingress」という位置情報ゲームをベースに開発を進めています。現在開発中ですが、非常に素晴らしいゲームになると思っています。
Ingressとポケットモンスターというゲームはとても親和性が高いのです。そもそもIngressは、当社CEO(最高経営責任者)のジョン・ハンケが、家の中でゲームばかりしている息子さんを、屋外に出すために開発したゲームでした。外出して現実世界を歩き回らなければ先に進めることができない、というゲームなのです。
こうした経緯があるので、我々は今でも「より多くの人が外出してつながり、新しい発見をし、世界の美しさに気付いて、より良くしていく」という理念に基づいて、Ingressを提供し続けています。
一方のポケットモンスターの原点は昆虫採集にあるのだと、ポケモンの石原恒和社長から聞きました。つまり、家の外に出て昆虫を捕まえ、友だちに見せ、育てるという体験ですね。現実世界の体験を重視するという意味でIngressとポケットモンスターは根っこの部分が似ていたのです。石原社長にも我々の企業理念に共感いただき、今回の共同開発に至りました。