広告と意識させないコンテンツと親和性の高いネイティブ広告が人気
広告と意識させないコンテンツと親和性の高いネイティブ広告が人気
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 ステマは短期間でこそ効果が出ることもあるが、長期的な目で見ると消費者との信頼関係を損ない、企業ブランドや商品・サービスブランドを傷つける割に合わない行為であることは散々述べてきた。

 それでもなぜ、人はステマをするのか。それは、宣伝したい商品やサービスなどがあるからであり、高い広告効果を望むからだ。そこで、ステマをせずとも高い効果が挙げられ、市場でも受け入れられている新しい広告、「ネイティブ広告」の効果とメリットから課題までを取り上げる。

 広告がうざい──。このような感想を抱いたことがある人は多いだろう。ページを開いた途端、ポップアップで表示された広告に邪魔されて本来見ようと思っていた記事が読めない。いきなり見るつもりもなかった動画広告が再生されて音に驚かされる。このような行為は、ユーザーが本来求めていた行動を阻害し、不快感を抱かせる危険性をはらんでいる。広告効果ではなく、反感を買うという逆効果につながる可能性もある。そこで誕生したのが、「ネイティブ広告」だ。

 ネイティブ広告とは、端的に言えば、記事と広告とを自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスなく受け入れられやすい広告のこと。逆に言うと、広告をコンテンツの一部としてユーザーに見てもらうことを目的としているとも言える。広告でありながらユーザー体験を壊さないので、ユーザーに受け入れられやすく、広告効果が高いことで注目を集めている。

 ネイティブ広告を具体的に見ていくと、次の6つのパターンに分かれる。

インフィード広告
Webサイトやアプリのコンテンツとコンテンツの間に表示される広告。FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNS、GunosyやSmartNewS、Antennaなどのキュレーションメディアやニュースアプリなどで見られる。

検索連動型(ペイドサーチ型)
Google、Yahoo!などのリスティング広告。リスティング広告とは、Googleなどの検索サービスで検索したときに、検索語に関連する広告が上部に表示される。なお、Googleでは右脇の広告が最近廃止され、検索結果画面上に検索結果と同じようなフォーマットで表示される仕組みを採用した。

レコメンドウィジェット型
レコメンド配信サービスを利用して、広告配信したい記事などをレコメンド欄のあるサイトに表示する。例えば、ニュースサイトの下にお薦め記事などとして広告を表示するような手法を指す。レコメンドは薦めること、ウィジェットはサイトの好きな位置に配置できるアプリのことである。人によって表示される広告はカスタマイズされる。ページ下部に表示されているので、ユーザーの目に止まる可能性は若干低くなる。

プロモートリスティング型
Amazonや楽天市場などのECストア、食べログなどの口コミサイトなどで見られる、検索結果の上位に表示される広告のこと。どのような広告でも掲載できるインフィード型と異なり、プロモートリスティング型はその掲載メディアで取り扱いのある商品や業種などだけを表示する。

ネイティブ要素を持つインアド型(IABスタンダード)
ディスプレイ広告の枠内にコンテンツの型の広告を表示する。配信する枠は米IAB(インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー)が定めるディスプレイ広告枠の基準をクリアする必要がある。いわゆる「コンテンツターゲット広告」のことであり、必ずしも掲載メディアとデザイン的な親和性は高くないものの、コンテンツとの親和性が高い広告が表示される。

カスタム型(その他)
5つのカテゴリに当てはまらない新しいメディアや広告手法。企業が配信するLINEスタンプが代表的なもの。