NTTドコモが、2014年度に適用するMVNO(仮想移動体通信事業者)向けのパケット接続料が分かった。10Mビット/秒(帯域幅)当たりの接続料は、レイヤー2接続(GTP)の場合が月94万5059円、レイヤー3接続の場合が月102万4321円。3G(FOMA)/LTE(Xi)ともに接続料は同じ。2013年度に比べてレイヤー2接続の低減率は23.5%、レイヤー3接続の低減率は43.0%の水準となった()。2014年4月1日に遡って適用する。

図●NTTドコモのパケット接続料(月額、10Mビット/秒当たり)の推移。
図●NTTドコモのパケット接続料(月額、10Mビット/秒当たり)の推移。
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 パケット接続料は設備の貸し出し料金に相当し、設備にかかった費用をトラフィックで除算することで算出している。分母に当たるトラフィックはスマートフォンの普及拡大で増加傾向にあり、今後も低廉化を期待できる。

 だが、MVNOの間では大きな誤算が生じている。インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月24日、2015年3月期の連結営業利益予想の下方修正を発表した。理由は、NTTドコモが今回改定したパケット接続料の低減率が想定より小さかったため。パケット接続料の改定は前期および今期に遡って適用されるので、IIJのネットワークサービス原価が想定よりも約12億6000万円膨れ、営業利益を押し下げる結果となった。

 IIJの今回の下方修正については、「見積もりが甘い」とみる向きがあるかもしれないが、無理もない面がある。実は、総務省が2014年3月に実施した「第二種指定電気通信設備制度の運用に関するガイドラインの改定」が深く関係している。今年度から、MVNOがパケット接続料を支払う際、過去の増減トレンドを踏まえた「暫定値」で一時的に精算できるようになったのだ。