近年、第三次人工知能ブームが巻き起こっています。特に、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる技術で目覚ましい成果を上げています。本稿では、難しいと思われている機械学習(深層学習)を、お手軽プログラミング言語JavaScriptで実践してみます。難しい数式や理論は後回しにして、まずは、気軽に機械学習に触れてみましょう。

今、注目を集める深層学習

 冒頭で言及したように、近年、第三次人工知能ブームが巻き起こっています。囲碁のAI(人工知能)が、碁の世界チャンピオンを破ったり、コンピューターに大量のYouTube動画を学習させたところネコの概念を学習することができたりなど、人工知能の分野で驚くようなニュースを目にすることが多いものです。

 こうしたニュースの背後にあるのが、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる技術です。深層学習を利用することにより、画像認識の精度を飛躍的に向上させることができました。今や、画像に何が写り込んでいるのか、かなりの精度で判定することができるようになりました。その技術を音声認識や機械翻訳など、さまざまな分野に活用することで、これまでにない精度を出すことが可能になったのです。

 とは言え、深層学習は、それなりに難しい技術であり、難しい数式や理論が先行し、挑戦してみたがよく分からなかったという方も多いと思います。ある程度、分かったとしても、なかなか実践で使える気にはならないという声も耳にします。

 そこで、本稿では、手軽に扱えるJavaScriptを利用して、そうした深層学習を実践してみます。深層学習を実践するという点に限って言うなら、データを入れて、パラメータを調整し、結果を観察するという、実にシンプルなものです。深層学習を身近に感じて、簡単なデータ分類ができるようになることを目標としましょう。