この短期連載では、ITエンジニアが最低限知っておきたい機械学習の基本と進め方をお伝えしている。前回(上:今すぐにでも学ぶべき二つの理由)では人工知能(AI)/機械学習の概要に加えて、エンジニアが学ぶべき二つの理由を説明した。

 今回は、マイクロソフトが提供する機械学習用クラウドサービス「Azure Machine Learning」を紹介する。いかに簡単に機械学習を使えるのかを実感していただきたい。

コンピュータのリソース不足を心配しなくて済む

 Azure Machine Learningは、マイクロソフトが提供しているパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」上のサービスの一つで、クラウド上で機械学習を利用できるようにするものだ。

 前回、機械学習のハードルが下がり、容易に取り組めるようになったと説明した。Azure Machine Learningを例に取って、再度この点に触れておこう。

 大量のデータを扱う機械学習を実行する際には、多大な計算能力が必要になる。手元にあるコンピュータを使うと、処理に時間を要したり、場合によってはそもそも機械学習が困難だったりする。

 Azure Machine Learningで機械学習を使うメリットとしてまず、こうしたコンピュータのリソース不足を心配しなくて済む点が挙げられる。クラウド環境を利用するので、コンピュータリソースは無尽蔵ともいえるからだ。クラウド上のコンピュータに並列計算をさせれば、計算実行時間を大幅に短縮できる。