写真●クックパッドの成田一生氏
写真●クックパッドの成田一生氏
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 「情報システムの開発と運用の“健全さ”が一体感を生み、DevOpsを成功させる」――。レシピサイトを手掛けるクックパッドの成田一生氏(インフラストラクチャー部 部長)は2013年9月28日に都内で開催された「DevOpsDay Tokyo 2013」の講演で、このようにアピールした(写真)。

 講演タイトルは「迷ったら健全な方を選ぶ」。成田氏はまず、クックパッドにおけるシステム開発・運用の現状を説明。急速に事業を拡大するクックパッドでは、社員の約3割がクックパッド以外の事業に携わる。新規事業が次々と誕生し、開発チーム(52人)は1日当たり5~10件もの新機能をサイト上にリリースしている。

 そのため、成田氏ら運用チーム(5人)が当日になってリリースに気付き、急きょサーバーを増強するトラブルも起きているという。それでも成田氏は「開発と運用の間に、承認フローやルールを持ち込むのは絶対に避けたい」と話る。

 「承認やルールという権限に合わせて仕事をすると、技術者に大切な、仕事へのオーナーシップが失われる。これは、仕事がつまらなくなる大きな原因だ」(同氏)。

 ここで成田氏は、本講演のテーマである“健全さ”の意味を紹介。「開発・運用の役割を超えて何より大切なのは、組織や顧客にとって有益かどうかという視点。この健全さこそ、開発・運用が一体になって追求すべきものだ」(同氏)。