写真1●ゴールド賞を受賞したアンデックスの鈴木宏輔氏(左)と松本千枝氏
写真1●ゴールド賞を受賞したアンデックスの鈴木宏輔氏(左)と松本千枝氏
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写真2●受賞者には、副賞としてITS Japanの天野肇専務理事から防災用品が贈られた
写真2●受賞者には、副賞としてITS Japanの天野肇専務理事から防災用品が贈られた
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 2012年3月11日、「人と物の移動に役立つITS防災アプリアワード表彰式」が行われた。ITS(高度道路交通システム)を活用した災害対策を考える会議「ITS防災・減災情報の利用に関する検討会」(主催:ITS Japan)の中で行われたものである。

 最優秀作品のゴールド賞は、アンデックスの「マプコミ」が獲得した(写真1写真2)。避難所情報を含む地域の情報をカテゴリごとに閲覧できるアプリである。Twitterと連動し、ユーザー側からの情報投稿もできる。同作品を選んだ理由としては、「普段でも使えることから、災害時にも簡単に使うことができる」という点が挙げられた。今回のアワードでは、全般に「普段使いできること」が重視されたようだ。

 アンデックスでは、タウン誌を発行するなど地域情報を持つ企業に対してマプコミの売り込みを図っているという。同社の本社が仙台市にあることから、仙台の観光情報を提供する「せんだいタウン情報S-style クリスマス限定アプリ powered by マプコミ」をユーメディアと共同で発行した実績がある(関連記事:仙台の企業が観光復興支援クリスマス限定アプリ「せんだいタウン情報S-style」リリース)。

 次点となるシルバー賞には、iフォーラム事務局の「MicroMediaWeb連携 with あぐらいふ」、ブロンズ賞にはスマートドライブメーター製作委員会による「BumpRecorder」が選ばれた。

 MicroMediaWeb連携 with あぐらいふは、日常の情報を集めたスマートフォン向けアプリ「あぐらいふ」に、各種災害時の緊急情報を加えたもの。地震発生時の避難所情報のほか、ゲリラ豪雨の通知機能も実装するという。

 BumpRecorderは、自動車にAndroidスマートフォンを載せ走行するだけで、その振動から道路上の段差を計測、地図上に表示しクラウド上で共有できるアプリである。「復興」をテーマにしたコンテスト「A3 Together」のアプリ部門の大賞を受賞した(関連記事:A3 Together大賞決定、路面状況測定アプリ「BumpRecorder」とアイデア「笛モールス」)。

 このほか、実装を伴わない企画賞には、関西学院大学「すれちがい通信を利用したリアルタイム災害避難ナビ」が選ばれた。これは、広域の通信網が断たれた状態でも、携帯端末のBluetooth通信を使うことで避難経路を自動的に発見し、誘導するというアイデア。現在、Androidアプリを開発中であり、実証実験を経て2013年3月にも公開するという。