図1 今回確認されたウイルスのアイコン例(米トレンドマイクロの情報から引用)。赤線で囲まれた「Movie Player」がウイルスのアイコン。Windows Media Playerのアイコンに似せている
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図2 今回確認されたウイルスのインストール画面例(米トレンドマイクロの情報から引用)。通常のアプリケーションをインストールする際には表示されないような警告が、複数表示される
図2 今回確認されたウイルスのインストール画面例(米トレンドマイクロの情報から引用)。通常のアプリケーションをインストールする際には表示されないような警告が、複数表示される
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 セキュリティ企業各社は2010年8月11日、Androidを搭載した機器に感染する初めてのウイルス(悪質なプログラム)を確認したとして注意を呼びかけた。有用なソフトに見せかけたウイルスをインストールすると、ある有料サービスを勝手に利用されて課金されてしまう。

 今回確認されたウイルスは、「Movie Player」というソフトに見せかけて配布された(図1)。インストールすると、ロシアの有料SMSに対してショートメッセージを勝手に送信する。

 この有料SMSは、メッセージを送信すると課金され、受信者に料金が支払われるサービス。ロシアのセキュリティ企業カスペルスキー研究所によれば、メッセージを1回送信するごとに、およそ5ドルが課金されるという。メッセージの送信の際に確認画面などは表示されないため、ユーザーは気付きにくい。

 ただし、同ソフトのインストール時には、「このアプリケーションは、SDカードの内容を改変/削除します」「電話番号を読み取ります」「SMSメッセージを送信します」といった警告が表示される(図2)。このため通常のユーザーなら、怪しいと思ってインストールを中止するだろうとしている。

 今回悪用された有料SMSは、ロシア国内からのみ利用可能だという。このためロシア以外のユーザーが被害に遭うことはない。また、米グーグルのアプリケーション配布サイト「Android Market」にも、現在は置かれていない。

 しかしながら、今後もAndroid搭載機器を狙ったウイルスが出現する危険性が高いとして、セキュリティ企業各社は注意するよう呼びかけている。