NTTデータは,同社が開発しオープンソース・ソフト(OSS)として配布している統合運用管理ソフトの新版「Hinemos Ver.3」を,2008年10月31日に公開した。新版では,稼働OSや利用するOSSを刷新したほか,機能拡張として,IPv6対応やsyslogによるマネージャ間連携を可能にした。

 Hinemosの主な機能は3つある。(1)syslogやSNMPを経由したシステム稼働監視機能,(2)IT資源をLDAPで管理してグループ化した上で,パッチ適用などのデプロイ(反映)作業を一括実施する機能,(3)ジョブとその実行条件を設定してスケジュール実行するジョブ管理機能,である。

 ソフトウエアの構成と稼働環境は,以下の通り。(a)管理対象サーバー機に導入するエージェントは,LinuxまたはWindows Serverで稼働する。(b)管理情報を格納するリポジトリと各種管理機能を提供するマネージャは,Red Hat Enterprise Linux 5で稼働する。エージェントとマネージャ間の通信は,syslogまたはSNMPである。(c)管理コンソールは,LinuxまたはWindows XPなどで稼働する。Eclipse RCP(Rich Client Platform)で開発されている。

 新版では,稼働環境を最新のソフトウエアに刷新した。マネージャの動作OSのバージョンをRed Hat Enterprise Linux 5にしたほか,Hinemosが利用している個々のOSS,すなわちJBoss(APサーバー), OpenLDAP(LDAP), PostgreSQL(DBMS), syslog-ng(syslog)などを最新のバージョンにした。

 主な新機能は,IPv6対応や,syslogを用いたマネージャ間(ノード間)連携などである。マネージャがエージェントからsyslogまたはSNMPで収集した情報を,マネージャから別のマネージャへとsyslogで中継できるようにした。これにより,広域で利用する場合に「複数拠点に設置したマネージャを束ねるマネージャ」を配置できるようになる。