Mac OS X Leopard上で、Silverlight対応のコンテンツを再生
Mac OS X Leopard上で、Silverlight対応のコンテンツを再生
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DRMに対応するSilverlight 1.1を早くリリースしてほしい、と語ったUSENの高野氏
DRMに対応するSilverlight 1.1を早くリリースしてほしい、と語ったUSENの高野氏
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 USENは2007年11月19日、無料の動画配信サービス「GyaO」において、マイクロソフトが開発するブラウザーへのプラグイン「Silverlight」を採用したサービスを開始したと発表した。同日、両社は報道陣向けに説明会を開催。Macintoshでもコンテンツを視聴できること、デジタル著作権管理(DRM)の仕組みに対応していることなどを、Silverlightの強みとしてアピールした。

 「GyaOへの問い合わせで最も多いのは、“Macで見られるようにしてほしい”という要望だ」。USEN GyaO事業本部 第一メディア局 WEB制作部の高野輝次部長はこう語り、社内でMac対応を長い間検討していたことを明かした。ミュージシャンなどGyaOへのコンテンツ提供者にもMacユーザーが多く、こうした人々からの要望も強かったという。内部ではMacintoshへの配信実験なども実施していたが、ネックとなったのはDRMのサポートだった。Windowsの場合は「WMV(Windows Media Video)形式を基本としてDRMをかけていることが、業界としての安心感につながっている。この安心感を基にコンテンツを提供してもらっていた」(高野氏)。

 こうした状況に対応できる可能性があるのが、Silverlightだった。Windowsだけでなく、Macintosh向けのプラグインも提供しているし、次版であるSilverlight 1.1ではDRM対応も予定されている。加えてWMVファイルを扱えることから、これまでGyaOが蓄積してきたコンテンツ資産をそのまま利用できることも魅力だったという。社内ではFlash動画を採用しようかという議論もあったが、数十万というWMVコンテンツの既存資産の存在が決め手となった。

 現時点では、グループ会社のギャガ・コミュニケーションズが配給する映画の予告編の配信にSilverlightを採用している。Silverlight 1.1の正式リリース(2008年前半を予定)や、Silverlightプラグインの普及率が一定レベルに達したら「GyaOの動画視聴で全面採用したい」(高野氏)としている。

 USENが評価した、WMVの過去資産をそのまま利用できるという点は、強敵Flash Playerとの「分かりやすい違い」(マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部の春日井良隆シニアプロダクトマネージャ)だという。マイクロソフトはこの点を一つの強みにして、Silverlight採用のコンテンツの増加と、ブラウザーへのSilverlightの普及を進めていく構えだ。