画面1 オンライン・ストレージ・サービスで「対象をファイルに保存」を実行して表れるダイアログで「予算.txt」が文字化けしたところ
画面1 オンライン・ストレージ・サービスで「対象をファイルに保存」を実行して表れるダイアログで「予算.txt」が文字化けしたところ
[画像のクリックで拡大表示]
画面2  MSN Hotmailでは「慾望.zip」という添付ファイルを保存するときに「誉望.zip」という名前になる
画面2  MSN Hotmailでは「慾望.zip」という添付ファイルを保存するときに「誉望.zip」という名前になる
[画像のクリックで拡大表示]

 マイクロソフトが提供するInternet Explorer 7(IE7)に,日本語ファイル名が化ける不具合があることが明らかになった。オンライン・ストレージ系サービスでファイルをダウンロードするときやWebメールで添付ファイルをダウンロードするときなどに発生する。文字化けするのは,特定のルールに当てはまる複数の文字で,例えば「予算.txt」というファイル名が「誉算.txt」になる。マイクロソフトによると,Windows XP Service Pack 2版およびVista版の両方のIE7で発生する。

 Windows XP SP2版IE7で,四つのオンライン・ストレージ系サービスで試したところ,「Yahoo!ブリーフケース」「デジタルトランクサービス」「Internet Disk」でファイル名の文字化けが認められた。Internet Diskではジャストシステムが既に報告している(既報)。サイト上に保存したファイルの一覧を表示する段階では正常だが,右クリックで表れるメニューで「対象をファイルに保存」を実行して表れるダイアログで文字化けする(画面1)。ただし,この現象は「宅ふぁいる便」では発生しなかった。すべてのオンライン・ストレージ系サービスが影響を受けるわけではないようだ。

 Webメール・サービスでは,「MSN Hotmail」で文字化けが見られた。「慾望.zip」という名前の添付ファイルをダウンロードすると,ダウンロードするときに「誉望.zip」となる(画面2)。こちらも,すべてのWebメールに影響するわけではないようで,「Gmail」ではこの現象は発生しなかった。

 文字化けするルールは,文字コードが「XX5C」「XX7C」のように「5C」「7C」を含む2バイト文字があると,「XX5F」に変換されるというもの。予算の「予」の文字コードはシフトJISで「975C」だが,「975F」に変換され「誉」になる。「慾」の文字コードは「977C」だが,やはり「975F」に変換され「誉」になる。「XX5C」の文字例としては「噂浬欺圭構蚕十申曾箪貼能表暴予禄」がある。「XX7C」の文字例としては「榎掛弓芸鋼旨楯酢掃竹倒培怖翻慾」がある。

 ちなみに,MSN Hotmailでは届いたメールの添付ファイル名を表示する際に「XX5C」の文字が「XX5F」の文字に変換されるという現象も認められた。ダウンロード時もその名前の状態で保存される。例えば,「予算.zip」は「誉算.zip」になる。ただし,これはIE6でも認められ,IE7特有の問題ではないようだ。

 マイクロソフトはIE7のこの問題について「原因を調査しており,判明し次第,サポート技術情報としてWebに情報を掲出する予定。遅くともIE7 SP1を提供するときを念頭に調査,修正を進めている。回避策は今のところない」という。同社は,この問題をIE7 RC1の段階で把握していたが,製品版には間に合わなかった(該当サイト)。多くの利用者が影響を受ける不具合のため,早急な修正を望みたい。