写真1
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写真2
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写真3
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 マイクロソフトは3月1日,一部のActive Xコントロール(プラグイン)の実行時に確認画面が出るようになるInternet Explorer(IE)用修正プログラムを公開した。修正プログラムを適用すると,IE上で「Windows Media Player」や「QuickTime Player」などを実行しようとすると,様々な確認画面が表示されることが確認された。

 このパッチは「Windows XP 用の更新プログラム(KB912945)」という名称(Windows XPの場合)で,Microsoft UpdateのWebサイトで「カスタム」のボタンをクリックして更新プログラム一覧を呼び出すとダウンロードできる。OSの自動更新機能などで適用されることはない。なおマイクロソフトではこの修正プログラムに関して「セキュリティ・アドバイザリ」を同日公開している(関連記事)

 このパッチを適用すると,「APPLET」「EMBED」「OBJECT」要素でActiveXコントロールを呼び出すWebページにアクセスすると,確認画面が表示されるようになる。具体的にどのような画面が出るか,画像を見ながら説明しよう。

 Windows Media Playerのような,IE上でユーザーに対話的なインターフェース(ユーザーがキーボードやマウスで操作できるインターフェース)を提供するActive Xコントロールを呼び出した場合,そのコントロールの部分にポインタを置くと「このコントロールをアクティブ化して使用するにはクリックしてください。」というポップアップが表示される(写真1)。ここで画面をクリックすると,キーボードやマウスによる操作ができるようになる。

 QuickTime PlayerやShockwave Playerのような,「GetKeyState」「GetCursorPos」といったWindows API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を使うActive Xコントロールを呼び出した場合,独立した確認画面が表示される(写真2)。マイクロソフトの資料によれば,QuickTimeのベンダーである米Apple Computerや「Macromedia Shockwave Player」を提供する米Adobe Systems,「Virtools Web Player」を提供するフランスVirtoolsなどが,この問題に対応するためにアプリケーションを修正中だという。

 また,編集部でテストしたところ「このコントロールをアクティブ化して使用するにはSpaceキーまたはEnterキーを押してください。」という確認のポップアップが表示されることがあった(写真3)。Shockwave Playerをインストールしていない状態で,Shockwave用のコンテンツを実行しようとした際に,この画面が表示された。

 マイクロソフトは米Eolas TechnologiesとのWebブラウザ特許侵害訴訟への対応のために,この修正プログラムを用意したようだ。Eolasの特許は「ハイパー・メディア・ドキュメント内で,外部コンテンツを自動的に呼び出し,埋め込みオブジェクトとして表示し,(ハイパー・メディア・ドキュメントとの)相互作用を提供する方法」というものであった(関連記事)。Eolasの主張によれば,Windows Media PlayerのActive Xコントロールのように,Webブラウザ内でコンテンツを自動的に再生し,さらに「再生ボタン」や「停止ボタン」のような「相互作用」を提供するような機能が,特許に抵触するという。マイクロソフトは今回のパッチを適用することで,「自動的」という部分を回避したもようだ。