マイクロソフトのOffice製品(Word,Excel,PowerPoint,Access)のマクロ機能を利用して,感染を広げるタイプのウイルス。1995年ごろに初めて確認された。

 出現当時は,プログラム・ファイルではない通常のデータ・ファイルに対するウイルス感染はないとされていたため,ユーザーのデータ・ファイルのウイルス感染に対する警戒心が薄く,猛威を振るった。マクロ機能を利用することで,比較的簡単にウイルスを作成できるため,多くの亜種が登場した。また,多くのウイルスはコンピュータで使用されているOSなどの環境に依存するが,マクロウイルスはマクロ機能を利用できる環境であれば,OSなどに依存せずに実行できてしまう。

 Office2000以降,Office製品のセキュリティ機能が強化されたことにより,マクロウイルスが活動してしまう危険性は低下した。現在では,新種の登場はほとんどない。代表的なものでは,「W97_MELISSA」(メリッサ)や「X97M_LAROUX」(ラルー)などが挙げられる 。