スキャナーは印刷された資料や写真などを画像やPDFとして取り込むのに必須の機器。オフィスにある複合機などに搭載されている機能の一つだ。オフィスなら当たり前にできることだが、外出先や出張先など、オフィスから離れた場所できれいにスキャンをしようとするのは、そこそこ難しい。デジカメで撮影するというのもあるが、きれいに撮るのは難しいし、撮影した後の処理も面倒だ。

写真1●マウス兼用スキャナー。キングジムの「MSC10」。原稿の上を滑らせるようにスキャンする。
写真1●マウス兼用スキャナー。
キングジムの「MSC10」。原稿の上を滑らせるようにスキャンする。
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 そんなシーンで役に立つのが「モバイルスキャナー」だ。軽量小型で携帯性に優れ、出先でのプレゼンや会議の資料にデータを加えたいときなどに、ノートパソコンと組み合わせてすぐ使える。さらに現場で受け取った印刷物をその場でスキャンして、データとして会社に送ることで仕事のスピードアップが図れる。複合機のように場所をとらないので、普段はキャビネットなどにしまっておき、必要なときにデスクの上ですぐ使えるといった利点がある。

写真2●最も一般的なモバイルスキャナーはスティック型。PFUの「ScanSnap S1100」本体内部に原稿を挿入して読み込む方式だ。
写真2●最も一般的なモバイルスキャナーはスティック型。
PFUの「ScanSnap S1100」本体内部に原稿を挿入して読み込む方式だ。
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 形状はマウス型など特殊な製品もあるが(写真1)、本体に原稿を通す「スティック型」が主流(写真2)。いずれもUSBから電源の供給を受けるUSBバスパワーで、ノートパソコンなどと組み合わせれば、ACアダプターは不要である。読み取り解像度は600dpi程度が主流で、フラットベッド型スキャナーに比べると落ちるが、ドキュメントスキャナーとしては問題のないレベルだ(表1)。価格は1万円台が中心だが、同じ製品でも、読み取りソフトや加工用のソフトの組み合わせで、違ってくるので、気を付けておきたい。

表1●主なモバイルスキャナー一覧
実勢価格は2014年4月上旬の大手量販店のもの。消費税8%の税込み価格。 *1 A4サイズの紙の片面をカラー300dpiで読み込んだとき時間
メーカー製品名最大読み取り
解像度
カラー/
モノクロ
読み取り
速度*1
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
重さ実勢価格
スティック型
PFUScanSnap
S1100
(FI-S1100-C)
600/
1200dpi
7.5秒273×47.5×34mm350g1万5490円
エプソンDS-30600/
600dpi
13秒276×50×36.5mm325g1万2420円
キヤノンimage
FORMULA
DR-P208
600/
600dpi
10秒312.5×55.5×40mm600g1万8950円
ブラザー工業MDS-700600/
600dpi
28.5秒319×76×54mm603g5530円
マウス型
キングジムMSC10400/
400dpi
手動60×115×37mm110g7850円
スタンド型
キングジムデスクショット
DK800
160dpi-65×78×386mm186g1万2440円