Windows XPのサポート終了とともに、無償配布されていたMicrosoft純正のセキュリティソフト「Security Essentials」のXP版の配布も終了する。だが、Microsoftは、そのアップデートは米国時間の2015年7月14日まで継続することを発表した。また、企業向けの「System Center Endpoint Protection」「Forefront Client Security」「Forefront Endpoint Protection」などにおいても同様だ。
これで、サポート終了後のXPも、マルウェアに関してはある程度の防御が可能になる。もちろん過信は禁物で、OSそのもののアップデートは打ち切られるのだから、執行猶予期間が延長されたと思うべきではない。
OSの脆弱性は手当できないが…
もっとも、Microsoftにとってみれば、いくら賞味期限ならぬ、サポート期限が切れてしまったとはいえ、同社ブランドを代表してきた製品でもある。毒にも薬にもならないのならいいが、それが原因で何か大事件でも起こるようなことがあれば、法律的にまずいことにはならなくても、同社のイメージにキズがついてしまうこともあるだろう。サポート終了と同時に使えなくするべきではなかったか、といった論調で責められることもあるかもしれない。
Security Essential等のアップデートが、サポート終了から1年以上先まで継続するというのは、実質的にこうした事態を回避するための方便であるとも言える。OSに脆弱性が見つかったとき、その脆弱性を手当することはしなくても、水際でそれを食い止めることができる可能性が出てきた。
この施策がサポート終了の事実にどのくらいのインパクトを与えるのかはわからないが、ある程度の効果はあるにちがいない。為すべきは、この施策の存在を、広く知らしめることなのかもしれない。
Windows XP終了まであと11週。
フリーランスライター
当初、「Security Essential」のXP版について配布を継続する、としましたが、正しくは配布を終了し、エンジンと定義ファイルの更新を継続します。このため本文の一部を訂正いたします。本文は修正済みです。[2014/01/23 10:30]