Windows 7には、ネットワークを介して別のWindowsパソコンを遠隔操作できる「リモートデスクトップ」と呼ばれる機能がある。リモートデスクトップ自体は、Windows XPでも利用可能だが、Windows 7なら「ネットワークレベル認証」やグラフィックスやマルチメディアを使った処理についてもリモートで利用できる。

 さらに、Windows 7の発売1周年記念イベントで発表された「Windows Live Mesh 2011」を使えば、外出先からInternet Explorerでリモート接続できるなど便利な点が多い。今回は、Windows 7のリモートデスクトップ接続の基本手順を紹介する。

機能強化されたWindows 7のリモートデスクトップ

 リモートデスクトップはそもそも、サーバー製品の「Windows NT 4.0 Terminal Server Edition」で提供していた「ターミナルサービス」機能が前身となる。当時、UNIXなどのOSでは、高性能なコンピュータをサーバーとして構築し、複数の端末からネットワークを介して利用することができた。このような1台のコンピュータを同時に複数のユーザーから使う「マルチユーザー機能」をWindowsでも可能にしたのが「ターミナルサービス」である。

 ターミナルサービスで利用できるネットワークはLAN環境だけでなく、固定されたIPアドレスやVPN接続が利用できる環境であれば、インターネットから接続することも可能だった。このターミナルサービスは、続くWindows 2000 Serverから標準機能として装備されるようになり、Windows XPからは「リモートデスクトップ」と名前を変えてクライアントOSにも標準搭載されるようになった。

 このように、標準機能となったリモートデスクトップだが、セキュリティ面での脆弱性が指摘されるようになった。そこでWindows Vistaのリモートデスクトップ接続では「ネットワークレベル認証」を採用し、セキュリティの強化を図っている。また、表示できる解像度や色数を大幅に増やし、複数ディスプレイ、ClearTypeフォント、Windows Aero対応など数々の機能アップが行われた。そしてWindows 7のリモートデスクトップ接続では、グラフィックス処理やマルチメディアの再生を画面を表示するローカルPC側でも処理できるようになり、実行速度も向上している(図1)。

図1●Windows 7のリモートデスクトップ接続<br>リモートデスクトップ接続を使えば、別の場所にあるWindowsマシンを遠隔操作することができる。Windows 7では、グラフィックスやマルチメディアの処理を実際に表示するローカルPC側で実行することで、パフォーマンスが向上している。
図1●Windows 7のリモートデスクトップ接続
リモートデスクトップ接続を使えば、別の場所にあるWindowsマシンを遠隔操作することができる。Windows 7では、グラフィックスやマルチメディアの処理を実際に表示するローカルPC側で実行することで、パフォーマンスが向上している。
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