図11●VS2010でVS2008のC++プロジェクトを開くと,この「Visual Studio変換ウィザード」が現れる
図11●VS2010でVS2008のC++プロジェクトを開くと,この「Visual Studio変換ウィザード」が現れる
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図12●プロジェクトの変換が終了すると,「変換レポート」が表示される。XML(Extensible Markup Language)形式のファイルが保存されるので,あとでInternet Explorerなどで読んでもよい
図12●プロジェクトの変換が終了すると,「変換レポート」が表示される。XML(Extensible Markup Language)形式のファイルが保存されるので,あとでInternet Explorerなどで読んでもよい
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図13●C++のプロジェクトのプロパティを開くと,「Platform Toolset」という設定項目があった。「v100」と「v90」を選択できるようになっている
図13●C++のプロジェクトのプロパティを開くと,「Platform Toolset」という設定項目があった。「v100」と「v90」を選択できるようになっている
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 Visual Studio 2010のC++では,ビルド・ツール「MSBuild」を採用し,プロジェクトの形式が変わった。プロジェクト・ファイルの拡張子は「vcproj」から,「vcxproj」に変わる。VS2010でVS2008のC++のプロジェクトを開くと,図11のように「Visual Studio変換ウィザード」が起動してくる(このウィザード自体はVisual BasicやC#のプロジェクトでも現れることがある)。変換作業が終わると図12のような「変換レポート」が表示される。旧プロジェクトのファイルがバックアップされたこと,vcprojファイルがvcxprojファイルに変換されたことがわかる。

 今回使った限りでは,変換後すぐに実行するとうまく実行できないことがあった。メニューで「ビルド」→「リビルド」を実行すればよいようだ。

 VS2008とVS2010ではC++の言語仕様やライブラリが変わっている点がある。プロジェクトのプロパティには「Platform Toolset」という項目があり,VS2010の「v100」と,VS2008互換の「v90」を選択できる(図13)。ただ,VS2010だけをインストールした環境でv90を選んだら,「.NET Framework 2.0/3.0/3.5 target the V90 toolset. Please make sure that the Visual Studio 2008 is installedon the machine.」というエラーが出て,ビルドができなかった。Visual C++のユーザーは,VS 2010への移行を慎重に行う必要がありそうだ。

 VS2010のC++関連のドキュメントを読むと,「アプリケーションがクラッシュしてターミネーション・ダイアログが出てきても,アプリケーションが終了しないようになった」(The application termination dialog box no longer ends the application.)という記述がある。ただ,これについては,記者は動作の違いがわからなかった。もしかしたら,ベータ版であるためかもしれない。