Webブラウザに「http://www.nikkeibp.co.jp」のような文字列を打ち込むとWebサイトにアクセスできる─。このことは,一度でもインターネットを使ったことがある人なら誰でも知っている常識だ。インターネットはいまや,大人から子どもまで,コンピュータやネットワークに関する知識の多少にかかわらず使える身近な“道具”になっている。

 このインターネットの裏で動いているしくみが今回のテーマであるDNS(domain name system)だ。DNSは,「www.nikkeibp.co.jp」のような「ドメイン名」と呼ばれる文字列から,コンピュータ同士が通信するときに必要なIPアドレスを導き出すしくみだ。少しでもインターネットの技術をかじったことがある人なら,DNSがインターネットにとってどれほど重要か知っているだろう。

 それでも普段,Webサイトにアクセスしたり,電子メールを送受信したりしているときに,DNSがどのように動いているのかを意識することはほとんどない。そこで今回は,DNSの役割や実際の動きについて詳しく解説していく。

修了テストに挑戦しよう

 この記事はDNSについて解説するLessonと,知識を確認するための修了テストに分かれている。「DNSについては本で読んだことがあるし,だいたいわかる」という人は,最後の修了テストから始めてもいい。ちょっとした腕試しだ。もし一つでもわからないこと,引っかかったことがあれば,前に戻って順にLessonを読んでみてほしい。DNSに関する知識を深められるはずだ。

Lessonは4パートに分かれている

 Lesson1では,インターネットにおいて,DNSがなぜ必要なのかを再確認する。Webサイトにアクセスする場合を例に,DNSがどんな役割を果たすのかを見る。

 Lesson2では,DNSがドメイン名からIPアドレスを調べる手順を説明する。ここで登場するのがリゾルバとDNSサーバーだ。DNSは「domain name system」という名前が指す通り,それ自体が一つのシステムである。そしてこのシステムは,リゾルバとDNSサーバーの連係プレイで成り立っている。リゾルバとDNSサーバーの動きに注目すれば,DNSの実際の働きがわかる。

 Lesson3では,インターネットでDNSがシステムとしてどのように機能しているかを見ていく。インターネットは,知っての通り,膨大な数のコンピュータがつながるネットワークだ。このような巨大なネットワークで,ドメイン名とIPアドレスを瞬時に結びつけるためにどのような工夫が施されているのかを学ぼう。

 Lesson4は,ドメイン名をDNSサーバーに登録するときの手順を紹介する。自宅や会社で,独自のドメイン名を取得してWebサイトを立ち上げるときに役立つだろう。

 四つのLessonを読んだら,修了テストで理解度を確認しよう。最後の解答ページは全体のまとめになっているので,要点をチェックする際に活用してほしい。