「ls」は,ディレクトリ内にどのようなファイルが存在するかを確認するためのコマンドです。このほかにもlsコマンドは,ファイルの属性や状態を確認したいときに役立ちます。

ファイルの状態を閲覧する

 ファイルの属性や状態を知りたい場合には,「-l」オプションを付けます。すると図1のように各行にそれぞれのファイルの詳細が表示されます。各項目の意味は以下の通りです。

図1●ファイルの詳細を表示
図1●ファイルの詳細を表示
「ls -l」コマンドを実行することで,各ファイルの詳細も表示される。  [画像のクリックで拡大表示]

第1項目:ファイル種別とパーミッション

 はじめの10個の記号はファイル種別とパーミッションを表します。1文字目はファイルの種類を表し,「-」はファイル,「d」はディレクトリ,「l」はシンボリック・リンクの意味です。

 2文字目から10文字目はパーミッションの状態を表示します。パーミッションとはファイルの書き出しや読み込み,実行を制御する機能です。「ファイルの所有者」「グループ」「その他のユーザー」ごとに,アクセス制限が行えます。

 表示は図2のように3文字ごとに分かれており,「r」がある場合はファイルの読み込みが可能,「w」は書き出しが可能,「x」は実行が可能を表します。

図2●アクセス制限を表す「パーミッション」
図2●アクセス制限を表す「パーミッション」
3文字ごとに所有者,グループ,その他のユーザーのアクセス制限を表している。

2項目:ディレクトリ数とハード・リンク数

 ディレクトリの場合は,第2項目にディレクトリ内にあるサブ・ディレクトリの数が表示されます。ただし,親ディレクトリを表す「../」とカレント・ディレクトリを表す「./」も含まれるため,サブ・ディレクトリがない場合でも「2」と表示されます。

 ファイルの場合はハード・リンクの数が表示されます。「2」以上の場合はハード・リンクが存在します。

第3,4項目:所有者とグループ

 第3項目には,ファイル所有者のユーザー名が表示されます。第4項目にはファイルのグループが表示されます。グループには,複数のユーザーが所属できます。どちらも第1項目のパーミッションによって,ユーザーがファイルの読み書きや実行を行えるかが決まります。

第5項目:容量

 第5項目には,ファイルの容量がバイト単位で表示されます。また,容量が大きく把握しずらい場合は,「-h」オプションを同時に付けることで適切な単位で容量が表示されます。

第6項目:タイム・スタンプ

 第6項目には,ファイルの更新時刻が表示されます。また,最後にアクセスした時刻を表示したい場合は,「-u」オプションを同時に付けます。

第7項目:ファイル名とリンク先

 最後にファイル名,ディレクトリ名などが表示されます。また,シンボリック・リンクの場合は,「リンク名 -> リンク先」のように表示されます。

各コマンドの詳しい使い方などについては,「Linuxコマンド集」を参照ください。また,「Linuxコマンド逆引き大全」で,行いたい処理内容からコマンドの使い方を調べられます。