ハードウエアとソフトウエアを一体にして提供する垂直統合型システムが注目を集めている。90年代以降、ITシステムは「オープンシステム」の名のもと、汎用的な部品や業界標準の規格に沿ったハードウエア/ソフトウエアなどを採用したシステム(パソコンやワークステーション)が各社から提供された。
それらのシステムは従来のメインフレームよりも安価に導入でき、どこのメーカーのマシンを入れても同じような性能を発揮できたため、必要な場所(部署)に必要なリソース(ハードウエア)を購入して、システム全体をつなげたマルチベンダーの分散システムを構築するのが主流であった。そのため、ユーザー企業は部署やシステムの設置場所ごとにシステム管理者を配置したり、システム全体を管理するために複雑な運用・管理方法を採用したりするなどをして、多額の費用をかけている。IT予算の半分以上を既存システムの運用管理費に費やすユーザー企業も多い。
最近は、複雑化するシステム運用を見直すユーザー企業が増えてきた。運用が複雑化するのはマルチベンダーで構築したことが原因だとして、垂直統合型システムに注目が集まっている。ハードウエア/ソフトウエアをまとめて1社の製品でシステムを構築することで、運用管理や保守の簡素化を図るのである。一方、ベンダー側も垂直統合型システムに力を入れており、特定分野に的を絞った設定での導入の自動化や運用管理の自律化を進めている。
会社名 | システム名 | 発表日 | 価格 | 主要対応分野 |
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NEC | Data Platform Suite | 2013年4月11日 | 1480万円~ | データベース基盤、データウエアハウス基盤、など |
NEC | Cloud Platform Suite | 2013年4月11日 | 2900万円~ | クラウド共通基盤(大規模向け、中小規模向け、データセンター事業者向け) |
NEC | Application Platform Suite | 2013年4月11日 | 900万円~ | ホテル業務、客室タブレット、コラボレーション基盤、シンクライアント基盤、など |
日立製作所 | Hitachi Unified Compute Platform (IaaSモデル) | 2012年10月22日 | 個別見積もり | サーバー仮想化環境 |
日立製作所 | Hitachi Unified Compute Platform (PaaSモデル) | 2012年10月22日 | 3371万6235円~ (2ブレード構成サーバー、ストレージ16Tバイト、ネットワーク、仮想化環境管理ソフト、システム管理ソフト、PaaS基盤ミドルウエア) | IaaS基盤モデルにミドルウエアや運用管理ソフトを搭載 |
富士通 | FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks | 2013年5月10日 | 990万円~(税別) | 仮想化・クラウド基盤 |
富士通 | FUJITSU Integrated System HA Database Ready | 2012年12月6日 | 6730万円 | データベース基盤 |
日本オラクル | Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine | 2012年10月29日 | 2230万円~(最小ハードウエア構成) | データベース基盤(Oracle)、データウエアハウス、オンライントランザクション処理 |
日本 IBM | PureFlex System | 2012年4月12日 | 2350万円~(税別) | サーバー仮想化環境 |
日本IBM | PureData System | 2012年10月10日 | PureData System for Transactionは2億3000万円から、PureData System for Analyticsは6000万円から、PureData System for Operational Analyticsは2億円から | 大量データ(ビッグデータ)の分析、リアルタイム分析、データベース基盤 |