DWH(データ・ウエアハウス)製品は、DWHの構築に向いたデータベース・サーバー製品である。DWHとは、日々更新される業績などのデータを時系列で記録しておく大容量のリポジトリ・データベースであり、この用途に特化した製品が市場を形成している(表1)。

表1●主なDWH製品の例
製品名 / ベンダー概要
●専用ハードウエアを用いたDWH専用機(アプライアンスのみ)
Exadata Database Machine/日本オラクルアーキテクチャは非対称型。前段にクラスタ構成のDBサーバー(RAC)を置き、背後にストレージと一体化したSQL検索用のDBサーバー群を並列に配置。前段と背後の接続はInfiniBand。
Netezza TwinFinなど/日本ネティーザアーキテクチャは非対称型。前段にSMP構成のDBサーバーを置き、背後にハード・ディスクと一体化したSQL検索ユニットを並列に配置。FPGAを用いた検索処理専用アクセラレータを搭載。
●MPP型で動作するDWH専用DBMS(ソフトウエアおよびアプライアンス)
EMC Greenplum Database、EMC Greenplum Data Computing Appliance/EMCジャパン前段にエリーを受け付けるDBサーバーを置き、背後にSQL検索/データ格納用のDBサーバーを並列に配置。この構成を汎用PCサーバーで実現。ベースのRDBMSはPostgreSQL。
Teradata Database、Teradata Active Enterprise Data Warehouseなど/日本テラデータ同社のMPP機などと組み合わせて分散処理DBとして動作。ハッシュによるデータの分散配置、SQLクエリーの書き換え、ストレージのリソース・プール化など、各種機能を組み合わせた。
●DWH専用のカラム型DBMS(ソフトウエアおよびアプライアンス)
EXASOL/日立ソリューションズインメモリー型で高速に動作するカラム型RDBMS。ノード(汎用PCを使用)の追加で性能を拡張できる。同社のブレード・サーバー機と組み合わせたアプライアンスも用意。
HP Vertica Analytics System/日本HP汎用PC(ブレード・サーバー)を採用しMPP構成で動作するカラム型DWHアプライアンス。ラック1台で1PBのDBを構築可。
Sybace IQ/サイベースカラム型RDBMS。単一クエリーを分割して複数のDBサーバーで分散処理できる。データ分析エンジンを内蔵し、BI分析負荷の一部をDBMS側で負担できる。

 DWH製品の形態には、RDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)のソフトウエアや、RDBMSをハードウエアと組み合わせたアプライアンス機器がある。いずれも、DWHの特性に合わせて、DWH用途で高い性能が出るような工夫が見られる。

 主な製品動向は2つある。1つは、主にソフトウエア製品に見られる傾向として、カラム(列)型のアーキテクチャを採用していること。もう1つは、アプライアンス製品に見られる傾向として、DWHに特化したハードウエア機構やシステム・アーキテクチャを採用していることである。

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