本記事は、
2004年3月31日
に発行した「ネットワーク大事典」を基に掲載しております。内容は発行時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
情報通信分野の競争促進やNTT東西地域会社の経営問題の解決を目的に浮上しているNTTグループ体制の見直しの動き。旧NTTが1999年7月に実施した持ち株会社方式による再編成,いわゆる「NTT再編」と区別するため,「NTT再々編」と呼ぶことが多い。
99年7月のNTT再編は,長距離電話サービスの公正競争の確保を目的としていた。このためNTT法の規制を受け,県内通信に業務範囲を限定するNTT東西地域会社と,規制対象外で県間・国際通信を主体とするNTTコミュニケーションズに分割した。しかし再編成された時点では競争分野の主役がデータ通信に移行していたため,競争体制を見直すNTT再々編の議論につながった。
また,KDDIや日本テレコムなどの競合事業者は,99年7月のNTT再編が競争の促進効果よりもNTTグループの連携強化につながったと不満を持っていた。このため競合会社は,東西地域会社のインフラ部門とサービス部門の分離や,資本関係も含めたNTTグループの完全分割を望んで再々編の議論を展開している。
対するNTTグループも再々編には否定的ではない。NTTグループの長年の悲願であるFTTH事業がNTT法などの規制を受ける東西地域会社では進めにくく,規制を受けずにサービスを提供できる体制を整えたいという理由がある。
総務大臣の諮問機関である情報通信審議会が2000年7月からNTT再々編の議論を進めてきた。当初は東西地域会社のインフラ部門とサービス部門の分離や資本関係の分離などを積極的に検討していた。しかし,2002年8月にまとめた最終答申では,ダーク・ファイバなどの形態でインフラ開放が進み,東西地域会社が必ずしも支配的ではなくなってきたとして方針を転換。インフラ部門とサービス部門の分離などは見送り,むしろ東西地域会社の規制を緩める答申となった。