スマートフォン向け広告を手がけるCyberZが、ゲームのプレーをスポーツとして競う「eスポーツ」事業に本腰を入れる。2016年1月23日に、初のeスポーツ大会を開く。スマホや据え置き型の専用機を用いて、チーム同士が対戦。会場にいる観客だけでなく、ネット生中継でも競技の様子を楽しめる。

 eスポーツは海外ではサッカー競技場を借り切って開かれるなど人気だが、日本では知名度が低い。CyberZは大会を通じてeスポーツを普及させ、ゲーム動画配信など主力事業の収益向上につなげたい考え。

賞金は100万円

「eスポーツのすそ野を広げる」と語る大友取締役
「eスポーツのすそ野を広げる」と語る大友取締役
(出所:CyberZ提供)
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 「国民的な人気を誇る格闘技イベントのように、eスポーツをエンターテインメント性の高いイベントに育てたい」。CyberZの大友真吾取締役は、大会を新設する狙いをこう話す。一部愛好家向けのイメージが強かった格闘技だが、興業性を高めた結果ファン層が広がった。格闘技の成功例にならい、eスポーツ大会でも演出に凝るなどして「今までにないエンタメを目指す」(大友取締役)という。

 大会の名称は「RAGE」。複数種類のゲームを採用し、年間を通じて予選会や決勝戦など複数の大会を開く。第一弾としてスマホ向けゲームの「Vainglory(ベイングローリー)」を採用。1月23日に開く決勝戦では、優勝チームは賞金100万円のほか、Vaingloryの世界大会である「Vainglory国際プレミアリーグ(VIPL)」の出場権を目指して競うことになる。

決勝に進んだ4チーム
決勝に進んだ4チーム
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決勝戦に先立つ1月10日、CyberZはチームをお披露目する会見を開催した。「見ているお客さんが、思わず声をあげてしまうようなプレーをしたい」「有名なチームではないが、勝って下克上を果たしたい」。大会に駒を進めた4チームのメンバーは、口々に意気込みを語った。

 ゲーム愛好家として互いに見知った間柄でもあるチームは少なくない。普段は仲間同士でプレーするだけに相手の手の内を知り尽くしていることから、やりにくさを感じることもあるという。