現在10代の若者は、物心がついた頃からネットが身近にある世代だ。2015年末に発表された2つの調査結果から、若者のネット利用がスマートフォン(スマホ)主体となり、パソコンの存在感が急速に減っている状況が浮き彫りとなった。

 ジャストシステムの調査(図1)によると、10代のスマホユーザーの1日当たりのメディア接触時間は、「スマートフォンからのインターネット接続」が153分と最も多く、次いで「テレビ」の118分、「パソコンからのインターネット接続」が64分と続いた。スマホはテレビよりも身近なメディアになっており、この傾向は機器の保有率にも表れている。総務省の調査(図2)では、高校1年生世代のスマホの保有率が91.5%であるのに対し、パソコンは43.8%にとどまった。2013年度の調査結果と比べると、2年間で約23ポイントも低下している。

●スマホの存在感が強い若者のネット利用
●スマホの存在感が強い若者のネット利用
図1 ジャストシステムのネットリサーチ「Fastask」による「10代のスマートフォン利用に関する実態調査」(2015年11月20日)を基に作成。スマートフォンを利用している15~19歳の男女600人を対象に実施
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図2 総務省の「平成27年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」(2015年11月13日)。高等学校1年生相当1万3647人に実施したアンケートとテストの結果。携帯音楽プレーヤーは2013年度は未集計
図2 総務省の「平成27年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」(2015年11月13日)。高等学校1年生相当1万3647人に実施したアンケートとテストの結果。携帯音楽プレーヤーは2013年度は未集計
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 ジャストシステムの調査では、ネットメディアに対する信頼度も調査した。信頼する情報源としてテレビ(38%)、新聞(18%)にインターネット記事(8%)、LINE(6%)、Twitter(5%)が続く。雑誌/ラジオの信頼度はいずれも2%だった。

 利用率の高いネットサービスはLINE(88%)、Twitter(73%)、Instagram(34%、図3)。写真共有SNSのInstagramは男女で利用率の差が大きく、男性の17%に対して女性は50%の利用率だった。利用率が4番手のFacebook(28%)は利用を中止した率も22%と高く、人気の利用サービスが移り変わりつつある様子が分かる。

●10代に人気のInstagram
●10代に人気のInstagram
図3 写真共有SNS「Instagram」。ビジュアルが中心で、女性の利用率が高い。サービスは独立して運用されているが、2012年に米Facebookに買収されている
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