「格安スマホ」とは本来、イオンやブックオフなどで販売する、端末とSIMカードのセット商品のこと。だが、最近はいわゆるSIMロックフリーの端末と格安SIMを組み合わせて安価に使うのが一般的になりつつある。ここでは、家電量販店などで入手でき、自由にSIMを組み合わせられる端末についてチェックしていく。

 まず、画面のサイズだが、大きくて画素数が多いほど視認性は高くなる。だが、持ち運びや使用時のホールド性を考えると5型前後が使いやすい。画面解像度は、消費電力とバッテリーの持続時間を勘案するとHD画質(1280×720ドット)が妥当だろう。

 SIMカードを挿入するスロットは通常1つだが、SIMフリー端末では2つのものもある。2枚のSIMを切り替えるだけで使い分けられるので、2台の端末を持ち歩いたり、SIMを差し替える手間が不要。ただし、片方のスロットが日本では使えない仕様になっているものもある。

 格安スマホのOSは事実上、Android一択だ。Windows系のモバイルOSを採用する機種も登場しているが、アプリの充実度などを考えると、個人ユーザーはまだ手を出しにくい。ただし、今後はWindowsも視野に入ってくるだろう。

 大手キャリアの国産スマホでは当たり前の「おサイフケータイ」は、海外製のSIMフリー端末には搭載されていない。これが格安スマホの弱点だったが、現在では国内メーカーが市場に参入したため、問題は解消されつつある。ただし、Suicaなど交通系決済は使えない場合もある。

 格安スマホの場合、対応している受信周波数帯も気にしておきたい。対応している周波数帯が多ければ、それだけ電波もつかみやすくなるからだ。

 価格帯は1万円台から10万円に届く機種まで幅広いが、2万~3万円台の機種がバランスが良く狙い目となる。大部分の製品は2GBのメモリーと16GBのストレージを搭載しているが、ストレージが足りない場合は、microSDカードやクラウドで補う手もある。

 SIMフリー端末は最近急速に数が増え、選択肢が広がっている。製品購入時にはつい価格に目が行きがちだが、ここで紹介したポイントを中心に、自分の使い方に合ったSIMフリー端末を選んでほしい。

製品選びのポイント

価格と使い勝手のバランスを考えると5型でHD画質が妥当なところ。それ以下だと視認性が低下するし、フルHDでは消費電力が心配だ
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スロットが2つあれば国内と海外、仕事とプライベートといった回線の使い分けが可能。ただし、2つめの仕様に制限がある機種には要注意
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格安スマホのOSは、事実上Android以外の選択肢はない。人気のiOS搭載機は米アップル製のiPhoneしかなく、格安で入手することは不可能だ
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海外メーカー製ばかりだったSIMフリー端末に国内メーカーが参入し、おサイフケータイなどの国内向け機能に対応したモデルも増えてきた
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