年始の挨拶はメールやSNSで済ます人も増える中で、せっかく送ってもらった紙の年賀状。しまい込む前にスキャナーを使ってデジタル化してみた。クラウドに保存すれば、タブレットなどでも簡単に表示できる。高速なドキュメントスキャナーが使えればベストだが、本格的な機種は4万円前後して、普段からスキャナーを生かせる人でないとややハードルが高い。そこで今回は、一般的なインクジェット複合機のスキャナー機能を利用した。

年賀状をクラウドに保存した例。左は、Googleドライブに保存してiPadから見たところ。右は、Evernoteに保存してパソコンで表示したところ。
年賀状をクラウドに保存した例。左は、Googleドライブに保存してiPadから見たところ。右は、Evernoteに保存してパソコンで表示したところ。
[画像のクリックで拡大表示]

 インクジェット複合機には、セイコーエプソンの「カラリオEP-807AW」を使った。ADF(自動原稿送り装置)が付いていない一般的な家庭向け機種のため、はがきをスキャン台に1枚ずつ置いて手作業で読み取った。試してみたところ10枚分(10面分)を約6分で読み取ることができたので、年賀状の枚数がそれほど多くなければこの手動スキャン方式でも十分対応できそうだ。

 スキャン画像は最終的に、無料のクラウドストレージ「Googleドライブ」に保存した。ファイリングソフトを使って整理する手もあるが、年賀状は後から頻繁に検索して活用するといったデータではないので、フォルダーを作ってそこにまとめて置くだけにした。もちろん、Dropbox、OneDrive、Evernoteといった他のクラウドサービスでもよい。

 Googleドライブを使ったのは、アップロードするだけで画像内の文字をテキスト化してくれるOCR(Optical Character ReaderまたはRecognition)機能が使えるためだ。ただ、年賀状の文字には様々な凝った書体が使われるうえ、文字がデザインの絵柄に重なるケースも多いため、実際に試してみると認識ミスが少なくなかった。それでも、シンプルな文字ならかなり正しく認識できるので、同じ手順は書類などのテキスト化にも活用できそうだ。

 なお、クラウドストレージは便利だが、データが安全に保たれる保証はない。年賀状の現物を処分してしまう場合は、万一のことを考えて仕上げた年賀状画像をDVD-Rなどの光ディスクにバックアップして保存しておこう。

お薦めと思われる作業の流れをまとめた。保存先は、OCR機能が利用できるGoogleドライブを使った。年賀状を2グループに分けてからスキャンし、その後、はがきを正しい向きに整えるのがポイント。
お薦めと思われる作業の流れをまとめた。保存先は、OCR機能が利用できるGoogleドライブを使った。年賀状を2グループに分けてからスキャンし、その後、はがきを正しい向きに整えるのがポイント。
[画像のクリックで拡大表示]